「田植機考古学」クボタ昔の田植機発掘・・・機能と名称と愛称つづき

今日はここのところずっとやっていた、田植機の機能と名称と愛称の話に戻ります。現在の機械も興味深いんですが、やっぱり何が出るかわからない発掘というのは、宝探しみたいでおもしろいですね!

というわけでこういう作業を『田植機考古学』と称することにします。

何も見えないから掘っているスコップの先に「カチン」と当たるとワクワクするんです。もちろんよく知っている人は知っているわけで、「そんなのあたりまえじゃん」なわけですけど、そこは知らない人だけが楽しめる特権といってもいいのではないでしょうか?
何も見えないから掘っているスコップの先に「カチン」と当たるとワクワクするんです。もちろんよく知っている人は知っているわけで、「そんなのあたりまえじゃん」なわけですけど、そこは知らない人だけが楽しめる特権といってもいいのではないでしょうか?

田植機に愛称があって、その名前を元にネットで田植機をひとつひとつ発掘してきました。クボタは春風から始まってレインボー、そして現在はメインストリームが「ラクエル」と「ワールド」でしたっけ?

そして実はレインボーという名前はシリーズ名で、レインボープロ、レインボーアクティブ、レインボーキッド・・・と、それぞれ別にセカンドネームがついているのでした。

レインボーが姓だとしたらアクティブとかプロは名(な)ですかね。

姓名判断サイトで試してみました。レインボーアクティブ、大吉です!
姓名判断サイトで試してみました。レインボーアクティブ、大吉です!

やり始めるとどんどん掘り出されてくる!

おさらいで「春風」の発掘をまた始めてしまいました。

ネットで写真を探してきました。クボタ歩行型田植機、NS200です。写真で「春風」が確認できますね!農研機構の登録では1980年になっています。今から35年前!
前回ネットで探してきた写真。クボタ歩行型田植機、NS200です。写真で「春風」が確認できますね!農研機構の登録では1980年になっています。今から35年前! 1輪タイプの歩行型ですね。
今日ネットで探してみたら、春風には2輪タイプの歩行型もありました。4条植のNS450です。大きくて春風という名前に似合わない感じ。農研機構の登録にはありませんでしたが、NS400というタイプが1979年に登録されています。
今日ネットで探してみたら、春風には2輪タイプの歩行型もありました。4条植のNS450です。大きくて春風という名前に似合わない感じ。農研機構の登録にはありませんでしたが、NS400というタイプが1979年に登録されています。
そしてこれが今日見つけた農研機構に登録されている最古のクボタ田植機、S300。1輪タイプのようです。これも「春風」なのかなあ・・・農研機構の登録は1976年となっています。なんと40年前!
そしてこれが今日見つけた農研機構に登録されている最古のクボタ田植機、S300。1輪タイプのようです。これも「春風」なのかなあ・・・農研機構の登録は1976年となっています。なんと40年前!

最古の春風は2サイクルだった?

霜月御神守のときにMさんに聞いたのですが、1輪タイプの「春風」はどうも2サイクルだったようなんです。(それがS300かどうかは不明)

Mさんは一輪タイプのメリットとして、一筆書きとか、植え終わりとかを考えなくて植え初めても最後は畦畔の上を走って帰ってくれば良いところがラクだったと言っていました。

考えてみればそうですね・・・帰りの道がなくなったらそこから畦畔に上がって帰ってくればいいんですから・・・

↑こんなこと考えなくてもいいんだ・・・

それからこんなことも言っていました。その春風は苗の受けが通常と違ってこっちを向いている・・・と。

探したらありました!!!オークションで売られていたみたいです。これはもうアンティークですね・・・先エンジン、苗受けが手前でこっちを向いています。考えてみれば、これが乗用型の形ですよね? なにも考えていなかったのですが、今まで見てきた歩行型の田植機って、苗受けが乗用型と逆だ!
探したらありました!!!オークションで売られていたみたいです。これはもうアンティークですね・・・先エンジン、苗受けが手前でこっちを向いています。考えてみれば、これが乗用型の形ですよね? なにも考えていなかったのですが、今まで見てきた歩行型の田植機って、苗受けが乗用型と逆だ!
もう少し鮮明な写真を見つけました。これもオークションで売られていたみたいです。サイドには春風って書いてありそうですね。とても軽そうです。植付け部分はクランク式で全開にすると早足くらいで田植えができたそうです。
もう少し鮮明な写真を見つけました。これもオークションで売られていたみたいです。サイドには春風って書いてありそうですね。とても軽そうです。植付け部分はクランク式で、全開にすると早足くらいで田植えができたそうです。

それにしても、昔の田植えでは今の草刈りみたいに2ストの音がミーンミーン響き渡っていたなんて、想像もしませんでした。僕の中で田植えの音の景色がすっかり変わってしまった感じがします。

これから草刈りもどんどん4ストとか、さらには電池草刈機が発達して今とまったく違う音の風景になり、この後の世代が「え”〜〜〜っ?昔はエンジンがミーンミーンいいながら草刈りしたの?」って驚かれるんでしょうね・・・

今でも売ってるぞ!一輪タイプの歩行型田植機!

今でも新車の一輪タイプの歩行型田植機売ってました!!需要があるってことですよね? クボタSPW-28C 価格¥213,840 ただ、これだけ何の愛称もナシ。他のはみ〜〜〜んなあるのにこれだけナシ。なんででしょう?「春風」でいいじゃん。もしくは「春風二世」とか・・・
今でも新車の一輪タイプの歩行型田植機売ってました!!需要があるってことですよね? クボタSPW-28C 価格¥213,840 ただ、これだけ何の愛称もナシ。他のはみ〜〜〜んなあるのにこれだけナシ。なんででしょう?「春風」でいいじゃん。もしくは「春風二世」とか・・・

クボタの歩行型田植機はアジアを中心に8カ国で活躍中です! とあります。そうですね。「まだ続けたい」という人、「これから始める」という人に向けてまだまだこういう機械は必要ですよね。
クボタの歩行型田植機はアジアを中心に8カ国で活躍中です! とあります。そうですね。「まだ続けたい」という人、「これから始める」という人に向けてまだまだこういう機械は必要ですよね。

これ、ヤマハのエンジンなんですね。重量は78キロ。思いきって一輪タイプの田植機、電動にしちゃうとかもしくは頑張って排ガス対策して2ストに戻して超軽量50キロとかで出したらおもしろいんじゃないかなあ・・・

あ!それとかセグウェイみたいな自律タイプの乗用一輪田植機なんてどうでしょう!!植え方なんか超自由の田植機ができますよね!

「春風」にライダー登場!

前回の発掘では「春風」とは歩行型の名前だと思っていました。

ところがいただいたコメントで実は「春風ライダー」なるものが存在したことが判明。さっそく探してみました。

春風ライダー(型番?はNSR)という田植機があったときいて調べてみると、一番先に見つかったのがこれ。メチャメチャカッコいいじゃないですか!!!何だか複葉機みたい。特に走行時の車輪が航空機っぽい。
春風ライダー(型番?はNSR)という田植機があったときいて調べてみると、一番先に見つかったのがこれ。メチャメチャカッコいいじゃないですか!!!何だか複葉機みたい。特に走行時の車輪が航空機っぽい。NR4というようですが、農研機構の登録に残っていないんです。多分1980年よりは前だと思うんですが・・・
似たような写真が見つからないんですが、ソリと羽根が付いていそう。春風ライダーはこれよりずっと軽快で軽くて飛びそうなイメージ。
似たような写真が見つけようと思ったら無かった・・・ソリと羽根が付いていそう。春風ライダーはこれよりずっと軽快で軽くて飛びそうなイメージ。
プロペラも羽根もないんですけど、それが見える感じ。飛行機の要素を80%くらい備えてそう。
プロペラも羽根もないけれど、それが心の目で見える。飛行機の要素を80%くらい備えてそう。

で、春風歩行型に1輪タイプと2輪タイプがあったように、春風ライダーにも3輪タイプと4輪タイプがありました。

ネットで探してみました。これです。NSR5というらしいです。ということは5条植??? 農研機構の登録は1980年になっています。
ネットで探してみました。これです。NSR5というらしいです。ということは5条植??? 農研機構の登録は1980年になっています。
こういう写真も見つけました。カワイイ!!!これいいなあ。これが4輪タイプの「春風ライダー」なんですね。・・・・・なんだかどこかで見たことあるなあ・・・
こういう写真も見つけました。カワイイ!!!これいいなあ。これが4輪タイプの「春風ライダー」なんですね。・・・・・なんだかどこかで見たことあるなあ・・・

「春風ライダー」のアニキはブルトラじゃあないだろうか・・・

以前の記事『クボタブルトラB5000+田植機アタッチメントの一部・・・「撮りトラ」』から写真を引っぱってきました。

こちらはネットで見つけた写真。全く違和感のない仕上がり。田植機にしか見えません。
こちらはネットで見つけた写真。全く違和感のない仕上がり。田植機にしか見えません。
同じくネットで見つけた写真。ちゃんと雄牛のマークと「ブルトラ」のロゴタイプが付いています。
同じくネットで見つけた写真。ちゃんと雄牛のマークと「ブルトラ」のロゴタイプが付いています。

この角度から見ると顔や雰囲気がそっくりですよね! ここで出た改良点などをフィードバックしてNSRができたんじゃないかな・・・でも、そうだとしたらNSRはディーゼルエンジンってことになっちゃうか・・・

同じくネットより。なんと6条植です!そのためか、画像から読み取ったので定かではありませんが、SPR-6000という型番だと思われます。
同じくネットより。なんと6条植です!そのためか、画像から読み取ったので定かではありませんが、SPR-6000という型番だと思われます。

農研機構のサイトによると田植機アタッチメント付きブルトラ、SPR6000の登録は1977年。そこから得たものを使って1980年に乗用田植機NSR5ができたと考えるのが自然かな・・・と思います。

春風の地層は思ったより厚い!

初め「春風」の地層は歩行型しかない薄いものだと僕は考えていたのですが、掘ってみると一輪タイプ、二輪タイプ。そしてライダー登場。

ライダーにも3輪タイプ、血筋の違う4輪タイプがあり、思ったよりその層は厚いことがわかってきました。(あくまでも当社比。知っている方は初めからその厚さをご存知です)

クボタ田植機の系譜は今ここまで発掘された・・・ということでしょうか。まだまだ出てきそうです。
クボタ田植機の系譜は今ここまで発掘された・・・ということでしょうか。まだまだ出てきそうです。

いや〜時間掛けちゃいました。また明日!

上の記事とゆるく関連しているほかの記事:

“「田植機考古学」クボタ昔の田植機発掘・・・機能と名称と愛称つづき” への7件の返信

  1. 鉄オタとワンコさん おはようございます
    わ!ほんとですか!それはすごいです
    もし行ける距離であればぜひ見にいきたいです
    ご検討くださいっ!

  2. 初めてコメントさせていただきます。この春風ライダーの一輪2022年現在我が家で現役で使ってます❗️1980年より前なんですね。

  3. おじまさん おはようございます

    ホントだ!角目ですね!
    見られて嬉しいです
    丸目と印象がそんなに変わらない正方形
    どんなに厳つくなっちゃうのか?と思ってましたが、かわいさも変わらないいんですね

  4. おじまさん おはようございます

    作業をすると,苗乗せ台が視界のなかで左右に動いて惑わされるので,
    真っ直ぐに植えるのにコツが必要でした。

    いろいろ聞いてみないとわからないものですね
    そんな落とし穴があるとは・・・

    そのせいかどうかわかりませんが、Mさんが「ヤンマーで苗乗せ台が動かないタイプがあった」と言ってました
    苗を作るときにスポンジの上に種を蒔き、その上に土をかぶせるのだそうです
    そのスポンジには切れ込みの入っていて、苗を爪が掻きとるとズルズルとヒモ状につながって
    苗乗せ台を動かさなくても連続して植えられるのだとか

    でも、スポンジの上に苗を作るので苗がうまく育たず、すぐに使うのをやめてしまったそうです

    それとNSRの角目、探してみたのですが見つかりませんでした
    レアアイテムですね!

  5. もうひとつ。。

    我が家で使っていたNSRは4も8も丸目ではなく,角目でしたよ。
    丸目,かわいくていいですね。

  6. こんにちは。

     >これはもうアンティークですね・・・先エンジン、苗受けが手前でこっちを向いています。

    我が家にあったのもこのタイプでした。
    作業をすると,苗乗せ台が視界のなかで左右に動いて惑わされるので,
    真っ直ぐに植えるのにコツが必要でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です