なんと46年前!クボタ歩行自脱型コンバイン HJ3・・・「昔のカタログシリーズ」

今日は「昔のカタログシリーズ」トラクター狂さんに送っていただいた、クボタの歩行自脱型コンバイン HJ3です。この「昔のカタログシリーズ」も60投稿近くになっていて、「アーカイ部」的な様相を呈してきました。

バインダーに脱穀機が付いた形

クボタ 歩行自脱型コンバイン HJ3 1969年のカタログ
クボタ 歩行自脱型コンバイン HJ3 1969年のカタログ

簡単なイラストですがよく見ると、この機械の作業や特長をよく表しています。稲はこのように流れて、脱穀した後バサバサと地面に落ちるのでしょう。

バインダーを生んだクボタの技術がコンバインを作りました。

刈取り→脱穀を同時作業 人手の16倍以上の高能率!

刈取りから脱穀までの作業をすべて自動的に行うクボタ歩行型自脱コンバインHJ3は、モミ運搬などの前後作業を含めても、1日35アール(3反半)〜の圃場を軽くこなします。これは10アール(1反)あたり48時間もかかる人手作業の16倍以上の高能率。1日20アール(2反)を消化すれば、十分採算が取れます。

引き起こし性能はクボタバインダーと同じです

75度倒れた稲も十分引き起して刈取るクボタバインダーの性能がそのまま生きています。

とあります。

そして裏面

クボタ 歩行自脱型コンバイン HJ3 1969年のカタログ
こういう白黒のイラスト・・・好きですねえ・・・

生コギ!

こんなことが書いてあります。

生コギに最適の構造

流穀板を強制揺動するので生脱穀してもロスが少なく、穀粒を傷つけません。また、大径胴自動脱穀機が、モミを効率よく正確に選別します。

当時はバインダーで束ねておだがけし、乾かしてから脱穀機で脱穀したのでしょう。これを「乾コギ」?とすれば、現在のように刈取ってからすぐ脱穀することを(「乾コギ」に対して)「生コギ」って呼んだってわけですね!!

スペックを見ると・・・

6.5馬力、最大9馬力の灯油エンジンで、その理論能率は時間あたり7〜10アールもあるそうです。1時間で10アール・・・10アールは1反ですから・・・なんだか相当性能が高いような気がしてきました。

また、重さは570キロ! 走行スピードは遅いでしょうから、田んぼに入れば仕事は早いと思いますが、田んぼに行くまでが時間がかかりそうです。

脱穀したモミはどうなるのでしょう。そこらへんにまき散らすわけはないですから、袋かなんかに入れるようになっているのでしょうか。このカタログには処理能力は書いてあるのですが、作業の流れがよくわかりません。

昭和44年、1969年・・・と、いうことは46年前!よくこんなものが残っていたと思います。実物はどこにも残っていないのでしょうね・・・。

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“なんと46年前!クボタ歩行自脱型コンバイン HJ3・・・「昔のカタログシリーズ」” への6件の返信

  1. トラクター狂さん おはようございます

    福岡県久留米市の大橋松雄農業機械歴史館ですか・・・
    ある所にはあるんですね
    僕も行ってみたいです!

  2. 今更コメントします(笑)

    福岡県久留米市の大橋松雄農業機械歴史館という所にHJ3の実物は展示されていますよ!他にもNX1300やNX3000、イセキのHD50も展示されているようです。

    いつか訪問してみたいです!!

  3. 発動機のシャチさん おはようございます

    鉄のキャタピラだったんですね!

    画像はメールにくつけて送ってくださいね いつでも大歓迎です!
    メールはページ一番下のリンクにもありますが info@mito-city.comです
    よろしくお願いします!

  4. 初期の歩行型コンバインですね~
    この頃はまだゴムクローラではなく
    鉄のキャタピラだったので、切れたり外れたり
    大変だったみたいですね。

    ところで、
    画像はどうやって送ればいいんでしょう?

  5. おじまさん おはようございます

    興味深いリンク、ありがとうございます。

    ちなみに,このパンフでは触れられていませんが,
    コンバインで能率よく生扱ぎする=これまでの天日乾燥でなく,火力乾燥の能率の良いものが必要
    という構図が裏に潜んでいます。

    確かにそうですね!
    田植えもそうですが、きつい稲刈りをラクに機械で行おうとすると
    コンバインを運ぶトレーラーが必要になったり、乾燥機も必要になったり、色々と物いりになります。
    芋づる式に設備投資が必要になってきてしまいますね。

    機械の支払は大変だったと思いますが、まさにフロンティアな当時の機械づくりはなんだかワクワクします。

  6. こんにちは。

    日本独自の自脱型コンバインの市販第1号は,
    1967年発売の2条刈り歩行型コンバインHD50型フロンティア(井関)だそうです。
    このHJ3は,その2年後ですからクボタの市販第1号かもしれません。
    http://koueki.jiii.or.jp/innovation100/innovation_detail.php?eid=00005&age=high-growth&page=kaihatsu

    実機は残ってないでしょう。カタログが残っているだけでもすごいと思います。
    我が家では昔(子供の頃),これよりも後のモデルだったと思いますが,
    中古機を買ってバインダー部を外してハーベスターとして使用していました。

    ちなみに,このパンフでは触れられていませんが,
    コンバインで能率よく生扱ぎする=これまでの天日乾燥でなく,火力乾燥の能率の良いものが必要
    という構図が裏に潜んでいます。

    当時は稲架掛け(ハサガケ)天日乾燥か,静置式火力乾燥が中心だったと思われます。
    コンバインの性能をフルに発揮するためには縦型循環式乾燥機が必要ですから,
    結構思い切った投資が必要だったんだと思います。

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