何でも混ぜればいいってものでもないのか・・・

わかりにくいかもしれません、稲刈りの終った田んぼにコンバインが切り刻んだ稲わらが、折り重なって川のように溜まっているのが見えます。
わかりにくいかもしれません、稲刈りの終った田んぼにコンバインが切り刻んだ稲わらが、折り重なって川のように溜まっているのが見えます。

ここのところ、田んぼに人々が出て何やら集めてネコさんで運んだり、軽トラに乗せたりして運んでいるのに気がつきました。台風26号で田んぼに水が入って稲藁が浮き上がり、一部に溜まってしまったようなのです。それを処分するのに出動しているのでした。

10/26日、台風26号の影響で雨ザーザーの時の画像。水路も田んぼも見分けがつかなくなっています。
10/26日、台風26号の影響で雨ザーザーの時の画像。水路も田んぼも見分けがつかなくなっています。
10/26日、台風26号が通り過ぎて雨があがった状態。田んぼの隅に稲藁が吹き寄せられているのが見えます。
10/26日、台風26号が通り過ぎて雨があがった状態。田んぼの隅に稲藁が吹き寄せられているのが見えます。

土に混ぜちゃえばいいんじゃないの?

大量の稲藁、土に混ぜちゃえばいいんじゃないの? って思ったんですが、そうはいかないみたいなんです。普段なら全体にまき散らしてある稲藁なので問題ないのですが、普段よりずっと多い量、しかも他の田んぼの分も混じっている稲藁を土に鋤込んでしまうと、田んぼに水を張ってからガスが出て(メタンガスか何かですかねえ・・・)稲ができなくなってしまうのだそうです。

じゃあ、水を張らない畑はどうかというと、稲藁を微生物が分解するのに窒素を必要とするのでしょうか? 窒素分が足りなくなってしまうのだそうです。

あれー? 空気中の窒素分を固定するのに緑肥を作るというのに、同じ植物でも稲藁の場合だとかえって窒素分を消費してしまうんだ!!! なんでも土に混ぜればいいってもんではないんですねえ・・・

ということは、稲藁を大量に土に混ぜてしまうと土が栄養不足になってしまうということなんですか・・・それはよくないですね・・・

蕎麦は撃沈してしまったそうです

先日みた蕎麦がまさにその状態だってことみたいです。

蕎麦の花 蕎麦の背丈がきれいなカーブを描いています。みんなちゃんと花が咲いてはいますけど・・・
蕎麦の花 蕎麦の背丈がきれいなカーブを描いています。みんなちゃんと花が咲いてはいますけど・・・

この話、もみがらをたくさん畑に入れてしまった部分と、蕎麦が育たなかった部分が一致しているということなので、不思議に思っていた畑の真ん中の蕎麦の育ちが悪かったのは水はけの問題というより、栄養の問題だったみたいです。

手で集めなくてはいけないので大変です

吹き寄せられた稲藁の処理 ある程度集めて山にしておいて軽トラなどに積み込みます。その後どうするのかなあ・・・積み上げて堆肥にするのでしょうか?
吹き寄せられた稲藁の処理 ある程度集めて山にしておいて軽トラなどに積み込みます。その後どうするのかなあ・・・積み上げて堆肥にするのでしょうか?
こうやって稲藁を山に集めます
こうやって稲藁を山に集めます
かなりの量です
かなりの量です
空が青いなあ・・・
空が青いなあ・・・

稲刈りが終ったから、田んぼに水が入ってしまってもいいかというとそういうわけでもなく、こういった余計な手間というか被害ができてしまうのでした。

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“何でも混ぜればいいってものでもないのか・・・” への10件の返信

  1. 愛読者さん おはようございます

    「ヘイ何とか」っていうのは牧草(ヘイ)に関する作業機ですね。

    もう「へー」って言っちゃうのものすごくこらえてもダメでした

    牧草の干し草ことを(ヘイ)というのですね
    何だか賢くなっちゃいます
    綴りを調べるとhay・・・簡単だなあ

    賢くなるついでに石灰にも色々あると知りました
    「消石灰」は消毒用の消とは・・・

    肥料がこんなに種類があっても
    知識を持って適量使うのは難しいのでしょうねぇ・・・

  2. >へーメーカー・・・おもしろい名前

    「ヘイ何とか」っていうのは牧草(ヘイ)に関する作業機ですね。
    最近では転作で飼料作物を作る方も多いですが、まだまだ稲作農家には縁遠いです。

    >石灰たくさんまかなくちゃダメだ

    生育障害の原因を経験に照らして、土壌のpH調整が必要と判断されたんでしょう。

    マグネシウム欠乏に「苦土石灰」、リンの不足に「過リン酸石灰」、ワラなどの分解促進に「石灰窒素」、消毒用の「消石灰」。硫黄欠乏に使えと推奨されている「石膏」も硫酸カルシウムですから石灰の仲間ですね。
    色んな石灰があります。

    >石灰と使用済みホッカイロなどをぶち込めば

    お見込みのとおり、そういう資材があります(笑)
    フェシカ(Fe Si Ca)などの含鉄ケイ酸カルシウム資材がそうですね。
    製鉄所がスラグ(FeOとSiO2とCaOなどの混合物)を粉砕して作っている資材なので、一部では「産廃を袋に詰めて売ってる」とか言われていますが、有り難く使わせてもらっています。

  3. 愛読者さん おはようございます

    ちょっとやそっとじゃ理解することは難しいです

    川底の土で作った作物がいじけているのを見て「石灰たくさんまかなくちゃダメだ」って言ってるのを聞いたのですが

    これってもしかしたら川底にて酸素不足に硫化水素をプラスしちゃった土ってことですよね?

    リンクを全部見たわけじゃなく断片的シロウト考えで行けば
    石灰によって根が元気になって根酸がたくさん出て鉄を吸収しやすくなるそうなので
    石灰と使用済みホッカイロなどをぶち込めば根が鉄を吸収する上に
    硫化水素もついでに鉄と結合して減って
    しかも酸性土をある程度中和もできるって寸法になりそうな気がします

    分量も問題かもしれませんけど・・・ダメですかねえ

  4. Blue_Buffaloさん おはようございます

    へーメーカー・・・おもしろい名前ですねえ
    これで集めてヘーベーラーというものでまとめるんですか

    たくさんたくさんアタッチメント・・・あるんですねえ

  5. 小生は藁を和牛に与えるために乾かして集めるのですが、それを使えば処理は出来そうですが、イレギュラーな業務のために、アタッチメントを増やせないので手作業はしょうがないかと。

     小生も天気の加減で回収できなかった藁は、へーメーカーと呼ばれる、草や藁を集める機械で数回ひっくり返し、燃やして処理しました。

  6. >硫化水素を肥料に変えるような

    鉄も硫黄も植物の生育に必要なので、硫黄が硫化水素として害を為さないようにさえしておけば、植物が必要になったら吸収してくれるらしいです。

    化成肥料の多くは肥料成分の固定に硫酸を使っているのですが、硫化水素の発生を嫌って硫酸を使わない肥料ばかりを使い続けたりすると、硫黄の欠乏で生育障害が起きることもあるらしいです。

    <参考>
    http://www.pref.okayama.jp/page/300191.html
    http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/res_center/topics24-10.html
    http://ci.nii.ac.jp/els/110001751181.pdf?id=ART0001889153&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1385515594&cp=

    稲が硫化鉄から鉄や硫黄を取り出す仕組みについては・・・細かく説明できるほどの知識がありません(^o^;)々

    <参考>
    http://lib.ruralnet.or.jp/genno/yougo/gy279.html
    http://lib.ruralnet.or.jp/genno/yougo/gy280.html

  7. 愛読者さん おはようございます

    手で集めて運ぶというのは精農家ですね。

    そうなんです
    ダンプキャリアを使ったり、トラクターのロータリーの上にコンパネをしいたり
    ネコで運んだり、田んぼに軽トラを突っ込んだり・・・
    みなさん様々な方法で藁を運んでいます

    この藁の量、多すぎて乾かないんで焼いても表面が焼けるだけなんだそうです
    こまったもんですね

    ・・・・・・

    稲に悪い硫化水素(H2S)をどうにかするのに
    3の田んぼに鉄分を補給して硫黄を捕まえさせるってのおもしろいですねえ

    活性の鉄とは鉄イオンなんですね
    ちょっと調べてもホッカイロや鉄屑なんかをつっこんでもあまり効果がないようです
    鉄の電極に電気を流せなんて書いてあるのもあったり・・・

    おもしろいですねえ

    硫化水素を肥料に変えるようなイオンはないのかしら
    ちょっとこういう分野はかみさんのほうが詳しいので聞いてみます

  8. 凄い量の藁。

    流石にこれだけ堆積すると、鋤き込むにしてもロータリー耕耘では無理かなぁ・・・にしても、手で集めて運ぶというのは精農家ですね。

    駄農の私だったら、乾いた隙に焼いちゃうか、石灰窒素でも振り掛けて軽く耕す(地表付近で早期に分解させる)くらいが関の山で、持ち出すっていう発想にはなかなか至りません。

    –ここから解説、というか蘊蓄(笑)–

    田んぼに大量の有機物を鋤込んで水を張ると、確かにガスが湧きます。
    メタン(CH4)などの炭化水素が湧くのですが、「ガスが出て稲ができない」という場合には硫化水素(H2S)が発生しているんだそうです。

    有機物が湛水土壌中で分解されると、微生物の活動で酸素が消費されることもあって強い還元状態になり、硫化水素が発生して根を傷めるんだそうで、対策としては・・・
     1.有機物を持ち出す(又は焼却する)
     2.酸素のあるうちに(入水前に)有機物を分解させる
     3.田んぼに鉄分を補給して硫黄を捕まえさせる
    ・・・などが考えられます。

    2番は、秋のうちに浅く鋤込むとか、窒素肥料を一緒に鋤込めば可能です。

    3番(田んぼに鉄)は稲作農家と化学が好きな方以外には「???」だと思いますが、鉄イオンが硫黄を捕まえてしまえば硫化水素は発生しないんだそうで、メタンなどの炭化水素が主体なら、田んぼで「ブクブク」ガスが湧いていても、稲は育ちます。

    私は、堆肥や緑肥を利用するにあたり、水はけの悪い(水が地下に浸透しない=地中に酸素が届きにくい)圃場には、保険として鉄を含む土壌改良材(含鉄資材)を入れました。
    田んぼに鉄サプリ・・・なんか貧血予防みたいですね(笑)

    また、鉄の欠乏した田を「老朽化水田」と呼ぶそうです。
    http://nouti-tenyou.info/noutiyarawa/%E8%80%81%E6%9C%BD%E5%8C%96%E6%B0%B4%E7%94%B0/

  9. おじまさん おはようございます
    昨日はずいぶん降ったみたいですね

    こんなことが無いように、それと、稲藁の分解が早くなるように、稲刈りが終わったらできるだけ早く、気温が高いうちに田んぼを耕しておくのが基本なんです。

    そうなんですね・・・暖かいうちに・・・
    そういう意味では茨城は雪が降らなくていいですねえ

  10. おはようございます。

    こんなことが無いように、それと、稲藁の分解が早くなるように、稲刈りが終わったらできるだけ早く、気温が高いうちに田んぼを耕しておくのが基本なんです。

    とはいっても、今年は「田んぼが乾いてきたかなぁと思うと、まとまって雨降り」の繰り返しで、専業で毎日家にいる人はともかく、兼業の人には耕すチャンスが少ない年だったと思います。
    我が家も、まだ耕し終わっていません。そして、今日も雨の予報です。。。

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