水路の草刈りの時、ナスのようなジャガイモのような花をつけた(花の中には少し紫がかったものもありました)雑草を見つけました。
「アメリカイヌホウズキに似てるけど、3倍くらいでかいなあ・・・後で調べてみよう」と、写真を撮っておいたのでした。
アメリカイヌホウズキじゃなければイヌホウズキだろう」と目星をつけて調べ始めたのですが、茎にある鋭いトゲが決め手になって「ワルナスビ」 だとわかりました。
ワルナスビ(悪茄子、学名:Solanum carolinense)はナス科の多年草。アメリカ合衆国南東部(カロライナ周辺)の原産。日本も含め世界的に帰化している外来種である。
茎や葉に鋭いとげが多いうえ、垂直および水平に広がる地下茎および、牛糞などに混じる種子でよく繁殖し、除草剤も効きにくく、一度生えると駆除しにくい。耕耘機などですきこむと、地下茎の切れ端一つ一つから芽が出て独立した個体に再生し、以前より増えてしまう始末の悪さである。和名の「ワルナスビ」は、このような性質により付けられた。
花は白または淡青色でナスやジャガイモに似ており春から秋まで咲き続ける。果実は球形で黄色く熟しトマトに似ている。しかし、全草がソラニンを含み有毒であるため、家畜が食べると場合によっては中毒死することがある。英語でも”Apple of Sodom”(ソドムのリンゴ)、”Devil’s tomato” (悪魔のトマト)などという悪名でも呼ばれている。
とあります。
「ナスビじゃないもの」を考える
ナスビじゃなくワルナスビ。
「ワル」。なにもこの植物が悪いのではなく、「人間にとって悪い」わけで、本体を打ち消す?名前のつけかたの中では最も悪いものです。
こういう名前の付け方にも命名者の気持が漂っているようでおもしろいので「想像の翼」で少し遊んでみます。
ナスビじゃなくて「ナスビモドキ」
「モドキ」は主に昆虫やわずかにキノコ類に付けられていることが多い感じで、植物はごくわずか。(短時間のリサーチですが)
「モドキ」を名詞の下につけて、それに似て非なる物や匹敵する物を指すそうですが、元々動詞なんで主体的にマネしてると言う風に命名者が捉えた感じがします。
ヒトがちょっと離れて「ふーん、がんばってるなあ」と見ているイメージ。
ナスビじゃなくて「イヌナスビ」
「イヌ」は植物にしか付いていないんじゃないかなあ・・・植物名の頭に付いて「ナスビじゃないよ」ということを表しています。
動物に「イヌ」付いたらすごく紛らわしいですものね。「イヌタヌキ」なんてのが居たとして、タヌキじゃないことはわかったけど、じゃ一体何なんだ?ってことになっちゃいますもん。
「ウナギイヌ」も架空の動物だし・・・あれ?「イヌワシ」がいるか・・・
とにかく、植物においては
「わぁ〜ゴマが生えてる。取って帰ろう」
(近くに寄って見る)
「なんだ、ゴマじゃねーじゃん」「ちっ」
という、植物に罪はないけど、勝手な期待を裏切られた失望感みたいなものが漂っている感じがします。
ナスビじゃなくて「ワルナスビ」
ワルナスビとか地獄ナスビなどの名前もきっと植物だけで(あくまでも短時間リサーチなので、こういうのがあったよ・・・という名前があれば教えてくださいね!)、これはもう害を及ぼされたヒトの怨念がこもっている感じです。
ウィキペディアにも
「耕耘機などですきこむと、地下茎の切れ端一つ一つから芽が出て独立した個体に再生し、以前より増えてしまう始末の悪さである。」
と、体験によると思われる実感のこもった記載からわかるように、被害にあった人のタメイキ、持って行きようのない叫びが聞こえてくるような感じがします。
一体どこから来たんだろう?
それにしてもこのワルナスビ、上流のほうには見られないのに、どうして水路も川へ出ようかという末端にこうやって群生しているのでしょう。
島地区の帰化植物は大体道路に沿ってやってきているように思います。(それも国道→県道→市道と大きい道から小さい道へ順番に)
それなのに水路の末端でしかも、最も小さな道の奥にこのワルナスビが群生していると言うのが不思議です。
どこからか飛んできたか、川から上がってきたか、それとも水路を流れてきたか・・・
考えてもわからないことですけどね。