ミュージアムコンディション!トラクター界のウォークマン、クボタ・ブルトラB5000「撮りトラ」

畑作用の大型トラクターしかなかった時代、こんなに小さくて軽くてしかも四駆のトラクターはきっと田んぼにぴったり!すっぽりと抜けていた田んぼというトラクターの活躍の場を埋めたんだろうなあ・・・

今日は昨日からの続き、素晴らしいコンディションのクボタブルトラB5000「撮りトラ」です。

そんな中、大きなトラクターをスケールダウンしただけのような構造のブルトラ。(後軸に耕うん機的な部分も残っていますけど)農家の「欲しい」に火をつけたことは大いに想像できます。
日本の実装技術の粋を集めた「乗れるミニチュア」クボタブルトラB5000 もう誕生してから50年近く経っているはずなのに、ほとんど錆びもなく、素晴らしいコンディションの一台です。
マスコットがついているわけではないですが、ちゃんとついている照星。なぜか白。白のほうが見やすいかなぁ・・・それとも当時は色がついていたのに抜けちゃったとか?
マスコットがついているわけではないですが、ちゃんとある照星。なぜか白。白のほうが見やすいかなぁ・・・それとも当時は色がついていたのに抜けちゃったとか?
エアクリーナーは日本濾過器製。横に寝ているところからしてオイルバス式ではなく、乾式のようです。
エアクリーナーは日本濾過器製。横に寝ているところからしてオイルバス式ではなく、乾式のようです。
B5000トラクタ エンジン 型式 Z500 水冷4サイクル2気筒ディーゼル 最高回転 3200rpm 出力 9PS/3000rpm 四輪駆動方式 変速F6, R2,PTO2
B5000トラクタ
エンジン 型式 Z500
水冷4サイクル2気筒ディーゼル
最高回転 3200rpm
出力 9PS/3000rpm
四輪駆動方式 変速F6,
R2,PTO2
PTOの軸のエンジン側でですかねぇ(よくわかりませんが)ただ、ゴムブーツが破けてないな・・・という写真です。昔のゴムは丈夫だったのか、それともちゃんとメンテナンスされていたからなのか・・・
PTOの軸のエンジン側でですかねぇ(よくわかりませんが)ただ、ゴムブーツが破けてないな・・・という写真です。昔のゴムは丈夫だったのか、それともちゃんとメンテナンスされていたからなのか・・・
ステップ廻り。黄色いペダルがいいアクセントです。ステップ廻りの隙間が気になります。こんなに小さいブルトラですから、走行中に不用意に足を出して後輪に巻き込まれた人とかいないのでしょうか?
ステップ廻り。黄色いペダルがいいアクセントです。ステップ廻りの隙間が気になります。こんなに小さいブルトラですから、走行中に不用意に足を出して後輪に巻き込まれた人とかいないのでしょうか?
ラジエターホースのガードがついています。
ラジエターホースのガードがついています。
小さいトラクターなだけにいろいろ工夫されています。バックミラーのステーがなんとラジエターのケースについています。
小さいトラクターなだけにいろいろ工夫されています。バックミラーのステーがなんとラジエターのケースについています。
小さくても水冷。空冷だったり、エンジン単体についているコンデンサから進化した横置きラジエターではなく、大きなトラクターと同じ前面配置のラジエターを備えています。
ミラーは片側だけのようです。反対側にはマフラーがありますので付けられなかっただけかもしれませんが。ヘッドランプは70年代に大変クボタと仲が良かったISHIKAWA製。
ついでにいえばウインカー・・・
ついでにいえばウインカー・・・
ウインカー採用としては珍しいキャッツアイ製。 それにしても、焼けもヤレもなくツヤッツヤです。どういう保存状態だったのでしょう・・・
ウインカー採用としては珍しいキャッツアイ製。
それにしても、焼けもヤレもなくツヤッツヤです。どういう保存のされかたをしていたのでしょう・・・
さすがにこのあたりは焼けています。ホーンボタンはピンク色に・・・
さすがにこのあたりは焼けています。ホーンボタンはピンク色に・・・
小型特殊の運輸省型式認定番号は農913 913は三菱のD1300のすぐ後ろで1975年頃の生まれだと思います。 ブルトラはB6000のほうがずっとお兄さん。B6000だと農750と番号がずっと若く、1971年頃の生まれと考えられます。
小型特殊の運輸省型式認定番号は農913
913は三菱のD1300のすぐ後ろで1975年頃の生まれだと思います。
ブルトラはB6000のほうがずっとお兄さん。B6000だと農750と番号がずっと若く、1971年頃の生まれと考えられます。
シートの下にはゴムスプリング。シートを跳ね上げたヒンジの部分にもゴムブッシュが入って一応乗る人のことを考えていてくれているみたいです。こんなところのゴムブッシュもまだ生きている感じです。
シートの下にはゴムスプリング。シートを跳ね上げたヒンジの部分にもゴムブッシュが入って一応乗る人のことを考えていてくれているみたいです。こんなところのゴムブッシュもまだ生きている感じです。
ああ・・・このひだひだは直接ゴムスプリングが尻を突き上げるのを緩和する部品ですね!
ああ・・・このひだひだは直接ゴムスプリングが尻を突き上げるのを緩和する部品ですね!自決シート、細かい尻愛がほどこされています。
作業機の防塵カバーの上に書かれた文字もかろうじて残っています。これもオリジナルでしょう。
作業機の防塵カバーの上に書かれた文字もかろうじて残っています。これもオリジナルでしょう。
耕うんピッチ。
耕うんピッチ。
フルカット・・・なんのことでしょう?
フルカット・・・なんのことでしょう?
何か追加の作業気をつけるためのポールでしょうか。こんなものもちゃんとオリジナルで残っているみたいです。
何か追加の作業気をつけるためのポールでしょうか。こんなものもちゃんとオリジナルで残っているみたいです。
後輪軸の塗装も残っています。
後輪軸の塗装も残っています。
1枚モノのリヤフェンダー。
1枚モノのリヤフェンダー。
運転順序ステッカーも健在。かろうじて赤字部分も消えていずに判読可能です。
運転順序ステッカーも健在。かろうじて赤字部分も消えていずに判読可能です。
前方、やや下に向かって排気されるマフラー。メッキもまだ光って腐りもなくキレイです。
前方、やや下に向かって排気されるマフラー。メッキもまだ光って腐りもなくキレイです。
いやー・・・どういう人がどのように使い、保存しているとこのような状態に保たれるのでしょうか?
いやー・・・どういう人がどのように使い、保存しているとこのような状態に保たれるのでしょうか?
素晴らしいコンディションのブルトラB5000でした!
素晴らしいコンディションのブルトラB5000でした!

今日はこんなところです。また明日!

ブルトラはトランジスタラジオやウォークマンやipodだった・・・と思う。クボタのブルトラB5000「撮りトラ」

これがそのブルトラB5000。オリジナルの塗装かもしれません・・・すごくきれいなんです。本格的なトラクターとしての機能を備えているのに、ヒトが乗れる限界とも思われる小ささ。しかも四駆。

今日は千葉県の伊藤産業機械さんに連れて行っていただいた、私設の農機具歴史資料館で見た、クボタブルトラB5000「撮りトラ」(だけどほとんどブルトラ出てきません)です。

これがそのブルトラB5000。オリジナルの塗装かもしれません・・・すごくきれいなんです。本格的なトラクターとしての機能を備えているのに、ヒトが乗れる限界とも思われる小ささ。しかも四駆。
これがそのブルトラB5000。オリジナルの塗装かもしれません・・・すごくきれいなんです。本格的なトラクターとしての機能を備えているのに、ヒトが乗れる限界とも思われる小ささ。しかも四駆。実際に見ればそのサイズに驚きます。
畑作用の大型トラクターしかなかった時代、こんなに小さくて軽くてしかも四駆のトラクターはきっと田んぼにぴったり!すっぽりと抜けていた田んぼというトラクターの活躍の場を埋めたんだろうなあ・・・
農用トラクターはまだ大きく、こんなに小さくて軽くてしかも四駆のトラクターはきっと田んぼにぴったり!小さな田んぼがまだ多かった時代の省力化ににぴったり!
今日は北海道でhokkaidoujinの案内でandoさんと見た私設博物館所蔵、サトー(佐藤造機?)の赤いトラクター、(トラクターというよりは乗用耕耘機に近いかもしれません)MY CAR140「撮りトラ」です。
同じようなサイズのトラクターはそれ以前もありましたが、乗れる耕うん機とも言えるようなもの。これはサトーMYCAR140。形はかなりトラクターですが、ベルトで後輪を駆動する簡易?タイプで、大型トラクターの構造とは違っていました。
乗用耕耘機とあったのですが、元の耕耘機の上にさらに後のTB&ポルシェ風エンジンフードがあって、あらためてトラクターと乗用耕耘機の違いって?・・・と考えてしまいます。
これもそのような一台。イセキのTR-1
以前見た東洋社の日の本MB1500です。ハイオクタン灯油エンジン、日の本TE150は単気筒630ccで15馬力を発生させます。
これなんかもそう。トラクターの機能はほぼ持っているとは思いますが、やはりどこか割り切った部分があり、胸を張って「本格的な乗用トラクターです」と、言い切れない部分があります。東洋社の日の本MB1500。ハイオクタン灯油エンジン、日の本TE150は単気筒630ccで15馬力を発生させます。
そんな中、大きなトラクターをスケールダウンしただけのような構造のブルトラ。(後軸に耕うん機的な部分も残っていますけど)農家の「欲しい」に火をつけたことは大いに想像できます。
そんな中、大きなトラクターをスケールダウンしただけのような構造のブルトラ。(後軸に耕うん機的な部分も残っていますけど)農家の「欲しい」に火をつけたことは大いに想像できます。小さな農家でも「ウチ、トラクター買ったんだ」とそれこそ胸を張って言えそうです。

9馬力の散弾銃をぶっ放す瞬間

↑エンジンかけるだけの数十秒

本格的水冷マシン

小さくても水冷。空冷だったり、エンジン単体についているコンデンサから進化した横置きラジエターではなく、大きなトラクターと同じ前面配置のラジエターを備えています。
小さくても水冷。空冷だったり、エンジン単体についているコンデンサから進化した横置きラジエターではなく、大きなトラクターと同じ前面配置のラジエターを備えています。

四輪駆動

すごく前輪のジョイント部分がでかくて目立ちます。
球体関節による四輪駆動(あ!この写真は別の場所で見たものですけど)

レイアウトを選ばない樹脂製タンク

燃料タンクです。燃料タンクまでオレンジ!見えないところに気を使っています。オシャレ!
燃料タンクです。燃料タンクまでオレンジ!見えないところに気を使っています。オシャレ!

豊富なアタッチメント

kubota attachment catalog for "BULLTRA" B-series.
本格的トラクターといったら拡張性。それを担保する豊富なアタッチメント群があありました。詳しくは『クボタブルトラ用アタッチメントカタログ・・・「昔のカタログ」』のリンクを辿ってみてください。

ちょっとぶっ飛んだユニークなアタッチメント?も

ブルトラの頃のカタログと同じ体裁でクボタ乗用田植機、乗用6条植 SPR600とあります。
当時歩行型が主流だった田植機。ブルトラを田植機にする画期的なアタッチメント?が売られていました。小型軽量のブルトラだからこそですよね?
お!ブルトラの田植機アタッチメント付き♫ とコーフンしてピントが手前の花に合ってしまいました。これはこれでいいかな。ずっと探し求めていたブルトラB5000+専用田植機アタッチメントSPR6000だと信じ込んでいました。
ブルトラの田植機アタッチメント付き♫ 実機も完全ではなかったですが以前見ることができました。

これって、トラクター界のウォークマンでは?

「本格的で今までの常識を覆す大きさ(小さい)」これってどこかで聞いたことがあります。日本のお家芸ということなのかもしれませんが、詰め込む技術。トランジスタラジオとかウォークマンとか・・・

以前「日本を変えた千の技術博@国立科学博物館」で紹介しましたよね!

光や音で伝える技術、だんだん現代に近くなっていきます。上は「ウォークマン」一号機TPS-L2 1979年 世界初の携帯型ステレオカセットプレーヤー。 音楽を個人で、どこでも楽しむことが可能となり、リスニングの携帯を変え、一つの文化を生み出した。 下、トランジスタラジオ TR55 1955(昭和30)年 東京通信工業 日本初のトランジスタラジオ。普及版のラジオにする ため、日本発の高周波トランジスタを開発し、使用している。 とあります。
上は「ウォークマン」一号機TPS-L2 1979年
世界初の携帯型ステレオカセットプレーヤー。
音楽を個人で、どこでも楽しむことが可能となり、リスニングの携帯を変え、一つの文化を生み出した。
下、トランジスタラジオ TR55 1955(昭和30)年 東京通信工業
日本初のトランジスタラジオ。普及版のラジオにする
ため、日本発の高周波トランジスタを開発し、使用している。
とあります。
その結果できたのがテレビなわけですが、ビックリしたのがこのテレビ。 ソニー ポータブルテレビ TV8-301 1960(昭和35)年 世界初の直視型ポータブルトランジスタテレビ とあります。今から60年近く前にこんなコンパクトでカッコイイテレビがあったなんて・・・ちょっとビックリしてしまいました。
その結果できたのがテレビなわけですが、ビックリしたのがこのテレビ。
ソニー ポータブルテレビ TV8-301 1960(昭和35)年
世界初の直視型ポータブルトランジスタテレビ
とあります。今から60年近く前にこんなコンパクトでカッコイイテレビがあったなんて・・・ちょっとビックリしてしまいました。
これがその業界に衝撃を与えたシャープの卓上計算機。 電子式卓上計算機 コンペットCS-10A 1964(昭和39)年 オールトランジスタ・ダイオードによる電子式卓上計算機として、世界でも最初期に発売され、その後の小型化や普及に道を拓いた。ゲルマニウム・トランジスタ530個とダイオード2,300個を含む4,000点の部品からなり、重量は25kgもある。定価は53万5千円で、当時の大衆的な乗用車と大体同じ値段であった。 卓上といっても卓に載せることが可能・・・という大きさですが
こんなに大きかった卓上計算機も・・・
カシオミニ カシオ計算機製 1972(昭和47)年 ついにパーソナルユースの電卓登場!幅146×奥行77×高さ42mm。重量315g(本体215g、電池100g)、少肥電力は0.85W。手のひらサイズのこ型電子卓上計算機である。開発当初より個人での利用を考え、機能を絞り低価格(発売当時の価格は12,800円)を実現したことにより、電卓が広く普及するきっかけとなった。
このとおり。答え一発カシオミニ カシオ計算機製 1972(昭和47)年
ついにパーソナルユースの電卓登場!幅146×奥行77×高さ42mm。重量315g(本体215g、電池100g)、少肥電力は0.85W。手のひらサイズのこ型電子卓上計算機である。開発当初より個人での利用を考え、機能を絞り低価格(発売当時の価格は12,800円)を実現したことにより、電卓が広く普及するきっかけとなった。

狭いところにギュウギュウモノを詰め込んで何とか成立させてしまうという文化が元々あったってわけですよね。

あー!時間がなくなってきちゃいました。

ウォークマンの機能をさらに小さくしたiPodなんかもそう。
ウォークマンの機能をさらに小さくしたiPodなんかもそう。(写真はWikipediaより)

ポータブルテレビは1960年とちょっと古すぎますが、「持ち運ぶことができる」「卓上」というくらいの重さと大きさから、それこそ「携帯する」大きさ、軽さの商品が出てきたのが1970年代。

ブルトラが生まれたのが1970年代中頃ですから、そんな流れや商品の性格、生まれた経緯なども含め「ウォークマン世代」と言っても良いのではないでしょうか?(ブルトラはウォークマンより先輩ですけど)

今日はこんなところです。また明日!