フルパーランドじゃなくてフルパー(ランド)なんだ!昭和33年農機具国営検査合格、フルパー(ランド)ディーゼルFB型

今日は千葉県の伊藤産業機械さんに連れて行っていただいた、私設の農機具歴史資料館で見たディーゼル発動機、1958(昭和33)年農機具国営検査合格、フルパー(ランド)ディーゼルFB型です。

銘板好きの僕としては遠くから見ても目立つ大きな鋳物のプレートは気になります。
銘板好きの僕としては遠くから見ても目立つ大きな鋳物のプレートは気になります。もうすっかりお気づきかもしれませんが、発動機好きというわけではないのです。「古い機械一般についている自分が何ものかを示す金属プレートが好き」みたいな感じです。
錆びているところを見ると鋳物にメッキですね。幾度舐めて苦い思いをしたかたかわからないマイナスねじで留まっています。プルパー(破裂音)ランドなのかフルバー(濁音)ランドなのかよくわかりません。
錆びているところを見ると鋳物にメッキですね。幾度舐めて苦い思いをしたかたかわからないマイナスねじで留まっています。プルパー(破裂音)ランドなのかフルバー(濁音)ランドなのかよくわかりません。FBというのがタイプ名でしょうか?

フルパーランドだった

『農機具については、国家が農民の立場に立って検査をして不良品を排除して優良と認めるものを選んで発表し、優良農機具購入のための権威ある指針を与えることが大切である。』というスタンスで当時検査していた国営検査。その33年度の合格者に名を連ねていました。
『農機具については、国家が農民の立場に立って検査をして不良品を排除して優良と認めるものを選んで発表し、優良農機具購入のための権威ある指針を与えることが大切である。』というスタンスで当時検査していた国営検査。その33年度の合格者に名を連ねていました。

これを見ると製造者は冨士精密工業株式会社でフルパーランドは商標のようです。FB型は表記馬力が3馬力、表記回転数が1500回転のようです。

このネタ元『農機具国営検査要覧 : 農機具購入の指針として 附・合格機検査成績概要 昭和33年版農林省振興局 編』の記事はこちらでどうぞ。

冨士精密工業は中島飛行機系だった

マップで杉並区宿町88番地と調べても出てきませんでしたが、会社としては中島飛行機が母体でプリンス自動車工業との関係もあると出てきました。

この一連の企業は創作意欲と言いますか、興味をかき立てられる対象のようで、多くの方がその移り変わりを検証していらっしゃいます。

こんな記述を見つけました。

■ ディーゼル發動機フルパー発売。
誉エンジンの残余分で製造した栄福の後継として、新たにディーゼル發動機を開發。フルパー(Fulper・・・Full Powerを短縮し命名)

農業用のフルパーランドと、船外機用のフルパーマリンが用意された。

第2章 プリンスのあゆみ・・・②・・・(1946~1959)

なんと!農業用がランド、船外機用がマリンなんですね!ランドとシーじゃないんだ・・・

だから銘柄がフルパーディーゼルだったんだ!

『農機具については、国家が農民の立場に立って検査をして不良品を排除して優良と認めるものを選んで発表し、優良農機具購入のための権威ある指針を与えることが大切である。』というスタンスで当時検査していた国営検査。その33年度の合格者に名を連ねていました。
もう一度登場です。僕の見た発動機はフルパーランドと書いてあったのに、なぜこの本にはフルパーディーゼルと書いてあるのか不思議に思っていたのですが、フルパーとランドの間に見えない壁があったということだったのです。

僕自身はフルバーランドと濁ったほうが「それらしい」と思っていたのですが、フルパーがFULL POWERから来ていること、それにランド/マリンという用途が組み合わさっているという由来を読んですごく胸に落ちたのでした。

今日はこんなところで失礼します。また明日!

上の記事とゆるく関連しているほかの記事:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です