作業機を買うくらいの感覚?フルパーランドディーゼルFB型「1959年全日本優良農機具カタログ集」

Shioikaさんにフルパーランドディーゼルエンジンの資料をいただきました。(いつもタイムリーな資料を丁寧にスキャンしていただき、ありがとうございます!)

基本的には僕の見た『農機具国営検査要覧 : 農機具購入の指針として 附・合格機検査成績概要 昭和33年版農林省振興局 編』と中身がとてもよく似ているのですが、発行元は違います。

発動機の記事はあまりないので、この次紹介するのがいつになるかわかりません。せっかくいただいたのでフルパーランドを続けるしかないですよね?「鉄は熱いうちに打て」です。

全日本優良農機具カタログ集

shioikaさん、表紙も含めて送ってくださいました。こういうの、その時代の雰囲気を掴むのにとてもいいです。というより、表紙と広告に一番目が行ってしまいました。プーリーとベルトがモチーフでしょうか? 昔の汎用コンバインのイメージです。
shioikaさん、表紙も含めて送ってくださいました。こういうの、その時代の雰囲気を掴むのにとてもいいです。というより、表紙と広告に一番目が行ってしまいました。プーリーとベルトがモチーフでしょうか? 昔の汎用コンバインのイメージです。
1963 CLAYES M80 Combaine hervester 銘板に1963年と書いてあったので、導入は1964年のようですが年式はそちらにしました。もともと稲の刈取り用に1964年に導入されたベルギー製のコンバインです。
1963年CLAYES M80コンバイン。こんなイメージでしょうか?

近代農業社という発行元は民間の会社なのでしょうけど「全日本優良農機具」という書き方からして

『農機具については、国家が農民の立場に立って検査をして不良品を排除して優良と認めるものを選んで発表し、優良農機具購入のための権威ある指針を与えることが大切である。』

という、農業機械化促進法の匂いがプンプンします。きっとそちら方面の仕事が多いお固い会社だったのでしょう。

それからこのような印象も・・・

モンドリアンとかクレーのような印象も受けます。

調べてみると、ミッドセンチュリー(カタログ集の場合ミッドセンチュリーというには新しいですけど)抽象ベクトルパターンなどという言葉もあるようですね。流行っていたのでしょうか?

当時の雑誌の表紙って、皆こんなイメージです。
当時の雑誌の表紙って、皆こんなイメージです。

プルパー全部の写真が載っていた

33年の農機具国営検査要覧はGA型らしきエンジン1台紙か写真がありませんでしたが、このカタログ集ではFB/GA/HB/KBうべ手の機種の写真が載っています。
33年の農機具国営検査要覧はGA型らしきエンジン1台紙か写真がありませんでしたが、このカタログ集ではFB/GA/HB/KBうべ手の機種の写真が載っています。
『農機具については、国家が農民の立場に立って検査をして不良品を排除して優良と認めるものを選んで発表し、優良農機具購入のための権威ある指針を与えることが大切である。』というスタンスで当時検査していた国営検査。その33年度の合格者に名を連ねていました。
前回の記事と比べてみると・・・あれ?GA型じゃないかも。HB形とKB型の合いの子みたいな感じ・・・

このカタログには値段も載っている

なぜかフルパーの値段は書いてありませんが、他のエンジンは「小売正価」として値段がついています。このページの三光ディーゼルエンジンSP-L型は小売正価が¥72,000でした。

僕の見たフルパーランドFB型と同等の3〜3.5馬力の三光ディーゼルエンジンは、SP-B型で小売正価が¥53,000でした。

感覚としては?

1959年の大卒初任給は諸説あるようですがだいたい1〜1.2万円。そして2020年の大卒初任給は・・・

2020年度の決定初任給(2020年4月に入社した新入社員へ実際に支払われた初任給)の水準は、大学卒(一律)で209,014円、高校卒(一律)で169,687円となり、全学歴で対前年比増となった。

2020年度 決定初任給調査の結果 産労総合研究所

とあり、21万円とすれば感覚として1959年→2020年で17.5倍のイメージです。

三光ディーゼルエンジンSP-B型を今買ったら

三光ディーゼルエンジンSP-B型を今買ったら¥53,000×17.5=¥927,500

ちょっとしたロータリーなどの作業機を買う感覚でしょうか?

クボタオートディーゼルVC型などは小売正価が¥152,000もするので17.5倍すると266万円!!ちょっとしたトラクターですね!

パワー多かった

『Full Powerを「フルパー」などと半端に略したのはどうしてなのだろう』と、昨日は不思議に思っていましたが、理由が何となくわかりました。

エンジンの愛称というか商標に「パワー」がつくものが多いのです。
エンジンの愛称というか商標に「パワー」がつくものが他にあるのです。

ヂャイアントパワー・・・オールパワー・・・このあとビックパワーだろうがフルパワーだろうが埋もれてしまいますよね?

だから「フルパー」にしたのではないでしょうか? 僕としては「ビクパー」のほうがおすすめですけど。

今日はこんなところでしょうか・・・それではまた明日!

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