「田植機機能の名前」&「田植機考古学」まとめ

ずっとやってきた「田植機機能の名前」と「田植機考古学」まとめです。

まず各社の機能名一覧を並べてみましょう

ヤンマーのすこやかな機能をまとめてみました。歩っとする以外はみんなすこやか。短時間でまとめたので抜けや漏れがあるかもしれません。(文字が小さくて読めない場合はクリックして拡大してくださいね!)
ヤンマーは昭和60年あたりの田植機「すこやか」が売れて農家に印象を残したのでしょうか・・・その愛称「すこやか」に機能名をプラスしてブランドを意識させています。それ以前の愛称「いちばん苗」は認知されていなかったのか使いませんでした。
ヤンマーの「歩っとハンドル」とにたような名前が見つかりました。ヤンマーが機能に「すこやか」をつけただけなのに比べ、イセキの場合は「さなえ」+「アルファベット」+機能となっていて言葉のインフレが進んでいる感じ。
イセキの一番初めの田植機の愛称「さなえ」に進化した感じをプラスして先進性とブランドを誇示しています。
ゆう優、けっこうあります。ゆう優モンローなんかモンローはトラクターで使われた機能名だけど、それと田植機のキーワード「ゆう優」と組合わせて「ゆう優モンロー」にしちゃっています。これだけで何となく田植機の自動水平機構なのかな?・・・と想像ついちゃうところがすごいです。
クボタはかつて田植機で使った「ゆうターン」という言葉にヒントを受けたのか、さらに重ね漢字で意味も加えた「ゆう優」+機能名で攻めています。トラクターで認知の進んだモンローも加えて万全の体制です。
これも発掘作業なので、足りない部分もあると思います。あくまでも現在掘り出されたキーワード+機能のまとめということでご理解ください。
三菱はかつて田植機で使用した「すくすく号」のすくすくは使わず、響きはちょっと似ている「スマイル」+機能名で攻めています。

そしてついでに初期の田植機・・・まずイセキから・・・

中身はよくわからないのですが、広告は見てるととても楽しいです。
イセキは「さなえ」三菱は「すくすく号」でした。
ネットで写真を探してみました。田植機と言ったら「さなえ」なイメージですけど、探してみると画像は意外と少ない・・・写真はイセキPF250。農研機構の登録は1976年です。
ネットで写真を探してみました。田植機と言ったら「さなえ」なイメージですけど、探してみると画像は意外と少ない・・・写真はイセキPF250。農研機構の登録は1976年です。

お次はヤンマー

これなんかもそうです。ヤンマー田植機の広告。一番上の目立つところに若い女性の写真が何の説明もなく・・・浅芽陽子。「なぁ、みんなどう思う。」っていわれてもねえ・・・
ヤンマー田植機の広告。ヤンマーは「いちばん苗」一番上の目立つところに若い女性の写真が何の説明もなく・・・浅芽陽子。「なぁ、みんなどう思う。」っていわれてもねえ・・・
こちらもネットで探してきました。ヤンマーYP200『いちばん苗』。農研機構の登録は1977年。もっと古いモノもあるかもしれませんが記録が残っていないんです。
こちらもネットで探してきました。ヤンマーYP200『いちばん苗』。農研機構の登録は1977年。もっと古いモノもあるかもしれませんが記録が残っていないんです。

こちらもヤンマーの「いちばん苗」。でも型番はYP220です。農研機構の登録は1979年。
こちらもヤンマーの「いちばん苗」。でも型番はYP220です。農研機構の登録は1979年。
さらにネットを検索してみました。緑でただ「すこやか」とだけ・・・歩行型ですが、きっとこれでしょう!「すこやかさん」は!!!ヤンマー田植機AP20。農研機構のサイトによれば登録は1985年。昭和60年、今から31年も前のものです。
「いちばん苗」の愛称の次が「すこやか」さんだったのでしょう。ヤンマー田植機AP20。農研機構のサイトによれば登録は1985年。昭和60年、今から31年も前のものです。

そしてクボタ

探したらありました!!!オークションで売られていたみたいです。これはもうアンティークですね・・・先エンジン、苗受けが手前でこっちを向いています。考えてみれば、これが乗用型の形ですよね? なにも考えていなかったのですが、今まで見てきた歩行型の田植機って、苗受けが乗用型と逆だ!
クボタは「ゆう優」さんではなく「春風」さんでした。1976年、農研機構の記録に残っている最古の春風、S300より前のものと思われます。オークションで売られていたみたいで、もうアンティークですね・・・2ストロークの先エンジン、苗受けが手前でこっちを向いています。考えてみれば、これが乗用型の形ですよね? なにも考えていなかったのですが、今まで見てきた歩行型の田植機って、苗受けが乗用型と逆だ!
もう少し鮮明な写真を見つけました。これもオークションで売られていたみたいです。サイドには春風って書いてありそうですね。とても軽そうです。植付け部分はクランク式で全開にすると早足くらいで田植えができたそうです。
もう少し鮮明な写真を見つけました。これもオークションで売られていたみたいです。サイドには春風って書いてありそうです。とても軽そうです。植付け部分はクランク式で、全開にすると早足くらいで田植えができたそうです。
秋田県のサイトの昔の田植え風景の写真を見つけました。昭和42年(1967年)の写真だそうです。苗スライダーの形状とエンジンの位置からクボタの「春風」さんと思われます。
秋田県のサイトで昔の田植え風景の写真を見つけました。昭和42年(1967年)の写真だそうです。苗スライダーの形状とエンジンの位置からクボタの「春風」さんと思われます。

Mさんが「昔の田んぼは平ら(てえら)じゃなかった」と言っていましたが、よくわかりました。今の田んぼよりずっと凸凹のぐちゃぐちゃです! 「何とかロータ」を使ってすごく平らな今の田んぼとの違いが歴然です!

三菱

中身はよくわからないのですが、広告は見てるととても楽しいです。
もういちどこの写真。三菱は「すくすく号」でした。
ネットで探した写真です。この「すくすく号」は青いんだなあ・・・
ネットで探した写真です。この「すくすく号」は青いんだなあ・・・
これもネットで探した写真。ちゃんと「すくすく号」と「号」まで書いてあります。
これもネットで探した写真。ちゃんと「すくすく号」と「号」まで書いてあります。
ネットで探した写真。農研機構のサイトで見られる最古の三菱田植機は1976年登録の三菱MP410です。
ネットで探した写真。農研機構のサイトで見られる最古の三菱田植機は1976年登録の三菱MP410です。
佐藤造機は歩行式田植機も作ってたんだ!富士ロビンはあぜねり機とあぜけずり機。手押しタイプのこんな機械があるなんて知らなかった・・・
そして既出のこの写真。サトーの田植機「ニューわかくさ」、型式名がPS-410と書いてあります。このPS-410は農研機構の登録では三菱MP410と同じ1976年。形も似ているし、OEMの同じものじゃないでしょうか?

おまけで「みのる」

農研機構の登録ではみのる産業の田植え機も見ることができます。登録に残る最古のみのる田植機はLT-6Fの1978年。これがないかネットで探してみました。

LT-2Fというのは見つかりました。みのるLT-2F田植機。LT-2F-Dなら1979年登録、LT-2F-D3であれば1980年登録です。
LT-2Fというのは見つかりました。みのるLT-2F田植機。LT-2F-Dなら1979年登録、LT-2F-D3であれば1980年登録です。
これも同じくネットで探したみのるLT-2F。
これも同じくネットで探したみのるLT-2F。
これなんかわかりやすいですね!同じくネットで探したみのるLT-2F。1980年前後の製品です。
これなんかわかりやすいですね!同じくネットで探したみのるLT-2F。1980年前後の製品です。他の田植機とずいぶん形が違います。

きょうはこれまで・・・また明日!

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“「田植機機能の名前」&「田植機考古学」まとめ” への6件の返信

  1. トラクター狂さん おはようございます

    いつもありがとうございます

    2スト春風、SPS-28って言うんですね

    それと秋田県のサイトに写っている田植機は、二輪駆動やハンドル形状から佐藤造機か三菱のどちらかだと思います。

    あはっ! いつも適当なこと書いていますからヒヤヒヤさせてますね すみません
    二輪はサトーか三菱なんですか
    当時は苗のスライダー?が手前を向いたいちばん先頭にエンジンが乗った形が主流だったんですね
    エンジンが軽かったからバランスを取ろうとしたのでしょうね

  2. 木田さん おはようございます

    いつも情報をありがとうございます
    ヤンマー田植機「伊吹」ですね?
    調べてみます

  3. 2ストエンジン、単車輪のアンティークな春風はSPS-28という型式です。1972年からの発売みたいです。

    SPS-28のスペックです。

    機体寸法・・・全長1750×全幅860×全高825mm

    重量・・・60kg

    条数・・・2条植え

    条間・・・機械条間28cm(隣接条間は後ろマーカーで調整)

    株間・・・13cmタイプと16cmタイプ

    植込み本数・・・3〜5本(調節式)

    株数・・・坪当り13cmタイプは79〜91株、16cmタイプは64〜74株

    苗使用量・・・10アール当り12〜18箱

    植付速度・・・毎秒0.6m

    植付能力・・・10アール当り60〜90分

    エンジン・・・空冷2サイクル、1.7馬力、6500rpm、リコイルスタート

    価格・・・162,000円(当時)

    特徴(機械化農業72年3月号 特集「ことしの田植機」より)

    1、耕盤の凹凸に応じて自由に上下するスイング式単車輪により植付深さが一定に保たれる。

    2、左右分割の双胴フロートが、安定性を高めている。フロートの先端は遊動装置により上下に回動し、泥を押すことなく整地し、植付深さを一定に保つ働きをする。

    3、植爪機構には、苗を土付きのまま、ほぐすように取出して植付ける「はし爪」方式を採用。耐久性を高めるために、開閉機構は内蔵されている。

    4、植付部に無理な圧力がかからないように、はし爪が石などをつまんだ場合には、自動的にクラッチが切れ、植付けがストップする安全クラッチ付き。

    5、苗補給が簡単。箱育苗された苗を、苗のせ台にのせれば、あとは「苗送り爪」が苗を送っていく。

    6、単輪駆動輪、双胴フロート、マーカー、マスコットなどにより軽快に直進できる。

    7、アタッチメントとしての中耕除草機をセットすることにより、3条を1度に除草することができる。能率は10アール当り60分。

    それと秋田県のサイトに写っている田植機は、二輪駆動やハンドル形状から佐藤造機か三菱のどちらかだと思います。

  4. またまた突然ですが 私の古~い記憶がよみがえって 報告です。
    ヤンマー田植機です うちの近所で「伊吹」ってのを持っていました。

    また、お調べください。

  5. hyoukou240mさん おはようございます

    手で抜いた苗をセットするタイプ!
    そんな田植機があったんですね!

    どのくらい前のものでしょう・・・
    田植機もずいぶん進化しているんですね

  6. 我が家で最初に買った田植機は、苗箱をセットするタイプではなく、手で抜いた苗をセットするタイプでした。
    欠株が多かったのを憶えています。

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