今年も4月から考えてきた、「一粒の種からお米はどれくらい取れるの?」のお話、一つの結論を見ました。もちろん、サンプリングはたった一カ所で、愛読者さんからご指摘のあったように風通しの良い田んぼの畔際の特等席なのでこれが全部に当てはまるわけではないですが、一つのわりと正確なスケールを手に入れたような思いです。
今年5月、田植えの終ったコシヒカリの田んぼで一つの苗をマーキングさせてもらいました。
以下はそのリンクです。興味があったら見てくださいね!
2つのコシヒカリの種が実るまで(ダイジェスト版動画 1分ほど)
そしてここで収穫したコシヒカリ↓
数えてみました(結構大変・・・動画1分ほど)
その結果は?
悪い籾もいい籾もナシに、選ばず全部数えた結果です。
2つのコシヒカリの種からできた籾の数は、「2,052粒」!
ということは、一つのコシヒカリの種からできる籾は1000粒ほどということになります。なんと1000倍!
重さはどうなの?
大体ですけど、一つのコシヒカリの種もみから25グラムの籾が穫れることになります。
ちゃんとした種もみは若干水分がこれと違うかもしれませんが、種もみは1000粒で32.5グラムでしたから・・・
約25グラム(一つの種もみからできた籾の重さ)/(32.5グラム(種もみ1000粒の重さ)/1000)≒約769倍
一つの籾は4ヶ月後に、数で1000倍、重さで769倍に増えるってことですね!
ちょっと時間がなくなってきちゃいました。まとめはまたの機会に・・・
おじまさん愛読者さん おはようございます
興味深い情報ありがとうございます
統計は比較するためにあるので時代と合わなくなっちゃう部分がありそうですね
ふるい目の大きさ今度聞いてみます
二株でおにぎり一個の感覚はぴったりきてもうバッチリですけど
未だにアールとかヘクタアールとか反とかの広さ感覚がないので
ここら辺を自分の物にすれば農作物を見るのがもっと楽しくなりそうです
>>愛読者さん
(豆知識を更に深堀り)
1.70mmの件、農水省webに簡単な解説があるのでご紹介しておきますね。
http://www.toukei.maff.go.jp/dijest/kome/kome07/kome07.html
こうなると、お国の発表する収量は農家感覚より若干高めに出て、その数字を基にした計算で次の年の米の生産割り当てが計算されることなりますよね。
そういう批判が多くあるせいか、最近は「ふるい目幅別収量」というのも目立たないところに公表されています。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001106532
例えば、茨城県の24年産で見ると、公式発表の収量は540kg/10aですが、1.85mmふるい換算では523kg/10aになってます。
お国がそういう批判にも耐え、農家と同じ1.85mmや1.90mmに変えずに1.70mmを貫いているのは、長年蓄積してきたデータの年次比較のためらしいですよ。
調査が始まった当時(まだ米増産の時代?)は、「食用に供せる米」=1.70mm以上だったので、それからず~っとそのままの基準で調査し続けている。。。。
>>おじまさん
疎植田植機、増えてきましたねぇ。
苗の使用量が減る(=コスト減)ので、大規模な農家にはメリット大ですよね。
疎植系の農家は、基本的に健苗志向だと思うのですが、知人の中には、厚播き&細植え&疎植っていう低コスト志向者もいて、面白いです。
>お国(農水省)が発表する米の作柄(作況指数)は、1.70mm
アマチュアなので知りませんでした(笑)
私は自家用しか自分で乾燥調整しないのですが、1.85mmで選別し、1.75mmで「中米」を拾うので、1.70mmという数字は驚きでした。
ただ、平年作なら1.85mmとか、1.90mm以上の粒が大半の筈なので、実際に1.70mmで篩っても「小粒」って感じはしないんだと思います。
ちなみに、うちの「中米」は精米を3kgとか5kgに小口包装して、地元保育園のバザーに提供。
その下の「小米」は、育苗期間中の雀のエサ。うちは露地育苗ですが、これを近隣に撒いておくと、苗箱が啄まれません。
おはようございます。
水を差すようなコメントでドン引きされなくてよかった。
なので、補足(追い討ち)コメントです。
最近は、疎植田植機が普及してきて、極端な例だと畦間も株間も30cmになっています。
こういう田んぼでは稲株にとっての環境は「特等席」に近くなりますから、一株の穂数や一穂の籾数は多くなります。
なので、一株何本あるいは一株何粒が言い難くなってきていて、最近では「㎡当たりの籾数」が指標値として使われる傾向になってきています。
>>noraさん
>日本で汎用機じゃなく自脱型が使われているのは、ちゃんとおにぎり単位でイメージできるからなんですね
これって、面白い発想ですね。すばらしい!!
「今日は、おにぎり○○個収穫したぞ}って、作業してて楽しそう。。
(まじめな回答)
イネは、麦とかに比べてワラが丈夫で、汎用機でガラガラかき回しても細断しにくいので、詰まっちゃったり
それを避けようとするとかなりの低速運転をせざるを得なくなります。
アメリカの稲刈りの様子を見ていると、汎用機は使っていますが、ヘッダーリールが中に掻き込んでいるのは
穂先部分のみで、その下のわらの部分はそのままか、機種によってはヘッダーのバリカンのほかにもうひとつ
地際にもバリカンがあります。あとのわらはフレールモアで処理か、燃やす。。。
日本の自脱型コンバイン、ばんざい!!
>>愛読者さん
茨城県でもJA等集荷団体への出荷米の標準は1.85mmになっています。
これも10年位前からで、それ以前は1.80mmでした。
(豆知識)
ちなみに、お国(農水省)が発表する米の作柄(作況指数)は、1.70mmで収量を出しています。
愛読者さん おはようございます
収穫ロス・・・今回は手で種をとったので収穫ロスはほぼゼロです
しかし、3株でお茶碗ですから実際の収穫ロスは確かに大きな問題です
日本で汎用機じゃなく自脱型が使われているのは、ちゃんとおにぎり単位でイメージできるからなんですね
コメント欄だけではもったいないようなコメントを皆さんに頂いたので
これらは別にまとめてみたいと思います
おじまさん おはようございます
穂数というのも重要なんですね・・・勘定してませんでした
次はそれも見てみます
あとは全部の種を数えてしまっているので歩留まりというか
ちゃんと出荷できる物の割合も調べてみたいですね
Dさん おはようございます
プロフェッショナルが答えてくれました
2株でおにぎり、3株でお茶碗ですって!
ということは4粒でおにぎり6粒でお茶碗ですね
おじまさんのコメントに追い打ち(?)です。
コンバイン収穫の場合、刈取部での脱粒や選別時にワラと一緒に吐き出されてしまう粒など、収穫ロスが数%あり、乾燥調製時にグレーダーで選別すると、稔った籾の70%~80%くらいしか、お米(玄米)になっていないように思います。
余談ですが、西日本では1.85mm網のグレーダーが一般的ですが、東日本の米どころでは1.9mm以上の網を使う地域も多いと聞いています。
Dさんの質問に対する概算回答ですが、2株でおにぎり、3株でお茶碗・・・くらいのお米になると思いますよ。
そして、おじまさんのコメントどおり、1株=2粒でも、1株=8粒でも、概ね同じくらいのお米が収穫できると思います。
いずれも、感覚的な概数なので、いずれnoraさんの実験テーマにしてみてください。
すばらしい実験ですね。
素朴な疑問を検証してみるのはとてもいい事だと思います。
ところで、一株の穂数はどれくらいでした?
たぶん20本~25本位になったのではないでしょうか。特等席だからもっと多かったかも。
実は、イネは2,3本植えても、10本位植えても最終的に一株の穂数はほぼ同じぐらいになるんです。
株の中で競合が起こって、弱小な茎は枯れてしまうためです。
ついでに、茨城県でのコシヒカリでは一穂の籾数は、年次変動や一株内での大小ありますが、平均で75粒ぐらいです。よって、1,500~1,875粒/株という計算です。
今回のイネ君たちは、特等席に座ってた。+競争相手が少ない。という大変恵まれた環境で育った子達なので、一粒あたりにするといい結果になった可能性はありますね。
ちなみに、この内ちゃんと熟して食用になる(農家が出荷できる米粒・整粒)のは8割ぐらいです。
水を差すようなコメントだったかも。。。
ずっと疑問に思ってたことに明快な答えがもらえてありがとうございます。
思った以上の増加率で驚きました。予想は2-300倍くらいと思っていました。
これなら育てがいがありますね。
あとはお茶碗1杯のご飯が何粒か数えてくれると、一膳のご飯と稲穂の数が結びつきます。
5粒のコメが1年後5000粒になってご飯一膳になると予想!