地震で涸沼川の護岸が崩れてしまったり、川を遡ってきた津波で塩水をかぶってしまった田んぼがあります。川を眺めていると、鳥たちはその崩れた護岸や塩水をかぶってしまった田んぼによく佇んでいます。
人間にとって痛手であり、環境が悪くなった被害ですが、鳥たちには環境がよくなったということなのでしょうか? なんだか、鳥はきれいにならされたコンクリートよりは凸凹であっても土の部分が好きなようです。
もしかしたら鳥も地震によって巣が壊れたり、生活環境が悪化したりかもしれません。でも、彼らにはそれを修理する手もなければ業者を頼むお金もありません。あるがままを常に受け入れなくてはならない・・・こう考えると川岸に佇んでいる姿は思慮深い仙人のようにも見えます。
持ってるものはお父さんお母さんから受け継いだ命だけですから失う心配も一つだけ、佇んで考えるのも今日のご飯のことか、今日の寒さのことか、それとも・・・
それだけに、たった一つ持った命の危機には敏感で、こんなにのんびり佇んでいて、飛び立つ時にも「よっこらしょ」という感じの鳥たちも、地震の時はいつもの倍羽ばたく感じでどこかへ逃げていたっけ。