「昔の島地区は茅や葦の産地だった」(詳しいいきさつはこちらを見てくださいね)という記事で、「島茅」(この字が当てられるのかどうかはわかりませんが)という茅葺き屋根の屋根材が生産されていたと書きました。そのせいかどうか、Mさんの家はついこの間まで(この「ついこの間」は、なかなかクセ者なんですが・・・)は茅葺きだったそうです。
環境保全会の草刈りの時にKさんが、『「島茅」って言うけど、そういう固有種があったわけじゃないよねえ』って言ってたんですけど、確かに僕もそう思います。島地区に生えている茅という意味で「島茅」で、特にそういう種類があったわけではないと思います。僕もずっと気になっていたので少し探してみることにしました。
「島茅」探しのヒントは、島茅を教えてくれ2人の話を総合して
1:直径せいぜい3ミリか4ミリで背が低め、細くてしなやかでとっても丈夫、茅葺き屋根に最適
2:ススキじゃない
3:昔はそこらにいっぱい生えてた
の3つだけです。
この話を聞かせてくれたSさんや、ついこの間まで茅葺き屋根だったMさんは「まだそこらにあるんじゃないのか」と、いいますが、どうも「見た」という話は聞かないので、もしかしたら茅を収穫する「ヤワラ」と呼ばれる場所に「わあっ」と生えていないとわからないのかもしれません。もしくはその「ヤワラ」に生えることによってその種類が「島茅」化するとか・・・
まず、カヤというものをキーボードで入力すると「茅」「萱」と出てきます。辞書で調べてみると、どちらも正解で、屋根を葺く用いる草木の総称。チガヤ・スゲ・ススキなど。・・・と、出てきます。「茅」もしくは「萱」というのは植物の名前じゃなく、商品として出荷されるか、屋根に葺かれて初めて「茅」もしくは「萱」と呼ばれるようになるようです。
また、ウィキペディアによると
茅はススキの別名であるが、チガヤなどの総称でもある。茅葺は世界各地でもっとも原初的な屋根とされ、日本でも縄文時代には茅を用いた屋根だけの住居が作られていたと考えられている。
基本的に雨漏りを防止するために急勾配の屋根にするが、使用する植物の茎などが太いと隙間が大きくなり雨漏りがしやすいため、より急勾配が要求される。通気性・断熱性に優れる、雨音が小さいなどの長所を持つが、寿命が短い・近隣で火災が生じた場合に容易に類焼してしまうといった短所を併せ持つ。
とあります。Sさんが島茅は、「直径せいぜい3ミリか4ミリで背が低め、細くてしなやかでとっても丈夫、茅葺き屋根に最適だった」と言っていたのと合致します。細いというのはいろんな勾配の屋根を葺くことができるという、自由度があるということなんですね。
チガヤ
もう冬ともいえますが、島地区をうろうろしているとそれらしい植物がいくつか見られます。その一つはイネ科のチガヤと思われる植物です。
葉は、草刈りをしないところでは80センチくらいになるそうですが、これで屋根を葺くのなら葉っぱではなく、茎部分だと思います。このあたりではせいぜい30センチこれで屋根が葺けますかねえ・・・茎自体はかなり細く(2ミリくらい?)細ければ細いほど屋根材としてよいのならこれは合格ですが、いかんせん長さがありません。
続きます。
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kobbasanさん
おはようございます
7層構造ですか!それじゃあ大場町で生産されていた「シマガヤ」は、茅葺き屋根全部の材料というより
その7層のどこかの部分を担っていたと考えたほうが良さそうですね
そういえばそうです!関係者が今もその土地に住んでいる・・・ということで、昔からの人が多いということなんですねえ
どうもnoraさん
茨城では全国でも珍しく茅葺職人さんが現存していますから『茅葺屋根』で検索されると良いと思います。
『しまがや』の呼び名も残っています。
茅葺屋根は七層構造ですから、職人さんが『すすき』と言っても、太いすすき、細いすすき、長いすすき、軽いすすきと様々な物が使われています。
屋根の表面ほど耐水性がないといけませんので、河原に生えるヨシやオギが使われていたと思います。
アシは『悪し』でヨシ『良し』と呼ばれる様になったと言われてますから、アシ=ヨシでよいと思います。
常澄にも多い苗字、あしかわ、よしかわ、おぎや、おぎぬま、などが良く使われていた植物名から来たと考えてます。