ヒシの花は小指の爪の先ほどの大きさで、水面からアップアップするようにちょこんと顔を出していました。
「川にヒシの仲間がずいぶんと増えていました」の記事や、「ヒシが暑さにやられてました」の記事の当時も、もしかしたら咲いていたのかもしれませんが、このときのように葉っぱが茂っていては絶対に見つけられそうもありません。
ヒシの写真を選んでいて、あることに気がつきました
葉っぱに穴があいていることは以前にも紹介しましたが、写真を選んでいるときに拡大して見たら、ヒシの葉という葉に、もれなくカメムシみたいな昆虫が乗っているのです。それも2〜3匹づつ。
写真と文章で長くなってしまうので畳んでおきます。
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調べてみると、紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワークというサイトに行き当たりました。ヒシのことについて管理人さんが大変詳しく調べていらっしゃいました。それによれば、ここら辺の菱の葉を食べるのはジュンサイハムシという昆虫に間違いなさそうです。
ヒシの葉を食べるジュンサイハムシの幼虫はアメンボが食べるそうです。ヒシの茎にはギンヤンマが卵を産むし、アメンボは何者に食べられるのか、さっと検索した限りでは見つかりませんでしたが、ヒシのまわりにはほんとうにたくさんの関係者がいるのを感じます。
ヒシと人間との関わりは?水戸市大場町では
ヒシとのもう一方の関係者、人間はどのように関わっているのかというと、島地区に限らず大場町では、ヒシの実が給水の内径25ミリの蛇口につまって往生するのだという話を聞きました。始末に負えないのだそうです。言ってみれば迷惑しているということでしょうか。確かにこれは困ります。
一方、佐賀県神埼市では
しかし、一方ではこのような記事も見つけました。2010年7月22日掲載の西日本新聞の(現在はリンク切れ)神埼の宝」ヒシ救えという記事です。
昔からヒシが自生し、地区を挙げて保護と栽培に取り組む佐賀県神埼市千代田町の下直鳥地区。昔からヒシの実を利用してきたのだそうですが、外来植物の流入、タニシやジュンサイハムシによって急速にその数が減ってきてしまい困っているそうです。
市は昨年から、市内の酒造会社と協力して、「ヒシ焼酎」造りに乗り出しているそうですが、大場町では困り者のヒシの実が、他方神崎市では穫れなくなりそうで困っている・・・うまいこといかないものですね。
生き物民主主義に基づく議会があったら
善かれと思ってやっても、生態系のバランスを崩してしまうと結局みんなが不幸になってしまいそうです。こういう問題の解決に、人間はもちろん動物や、植物、それこそ微生物まで含んだすべての関係者の利害の調整ができるようにならないものでしょうか。モノを言えない微生物や、動物を含めた「生き物民主主義議会」みたいなものです。
そうすれば異常気象までを防ぐのは無理かもしれませんが、何かの害虫や害草?(人間に対してですが)の異常発生が少し防げるようになりそうな感じがします。人間だけの都合で決めずに、それを少し削って他の生物に回して様々なサイクルを等しく残すことができるようになったらいいですね。
民主主義は時間がかかるし、誰もが等しく不満足な制度なのでしょうが、独裁政治よりはマシでしょう?
追記:2010.9.25
写真を整理していたらホテイアオイもジュンサイハムシにやられていました。