トラクター界は早くから再編の嵐だったんだ

あっ!見つけた!ニューホランドのマークが付いたフォード。サイドにはFORDの文字が・・・
あっ!見つけた!ニューホランドのマークが付いたフォード。サイドにはFORDの文字が・・・

昨日の「撮りトラ」ニューホランドT4030でしたが、これにトラクターの顔収集家k-workさんからいただいた「ニューホランドはフォードのトラクターも販売していたのでしょうか?」というコメントに興味を引かれて調べてみました。

何だかBMWとローバーがくっついちゃったみたいな(パッといい例が思いつきません)常識みたいですが、たしかにフォードのトラクターにニューホランドのマークをくつけて売っていた時があったようです。

ウィキペディアによれば

1947年にスペリー(Sperry Corporation)に買収されて、スペリー・ニューホランド(Sperry-New Holland)と改称した。 1964年にはベルギーのコンバインメーカー・クレイス(Claeys)を買収している。 芝関連機器の製造部門は1974年にアメリカのアリエンス(Ariens)に売却された。
1986年にはフォードがスペリー・ニューホランドを買収し、フォード・ニューホランド(Ford/New Holland)と改称した。後に一部をイタリア・フィアット社へ売却。
フォード・ニューホランドは1998年、トラクターメーカーであるヴァーサタイル社と建築機械メーカーであるO&K社を買収(O&Kの北米部門はテレックス社に売却)、再びニューホランドと改称した。
2000年にフィアットはケースIHを買収、ニューホランドと合併させてCNHグローバルへ改組した。 「ヴァーサタイル」と「ジェネシス」トラクター部門はカナダのBuhler Industriesへ売却した。

とあります。

う〜ん。なんだか大きいところ・・・例えばホンダとトヨタが一緒になっちゃうみたいな強烈な印象の合併のイメージです。クルマ業界はここのところの話ですけど、トラクター界は早くから政界再編というか離合集散を繰り返していたんですね。

こっちはフォードの5030。よくみるとボンネットには真ん中に船みたいなプレスラインが入ってるんですね。なかなかカッコいいです。
こっちはフォードの5030。よくみるとボンネットには真ん中に船みたいなプレスラインが入ってるんですね。なかなかカッコいいです。
ホンダとトヨタが合併してビートをピンクに塗ってキュートとして売り出した・・・みたいに違和感を持った人も多いだろうなあ・・・
ホンダとトヨタが合併してビートをピンクに塗ってキュートとして売り出した・・・みたいに違和感を持った人も多いだろうなあ・・・

農業機械というかトラクターは日の本MB-1100をイセキMB-1100として売っていたり、供給関係が入り組んでいてわかりにくいです。(わかる必要もないという話もありますけど・・・)

というわけでフォードトラクター

k-workさんのところから写真を引っぱってきてしまいました(ごめんなさい!)

ford6610
フォード6610だそうです
同じくフォード6610。ぴょこっと飛び出したハンドル部分のナセルというかカバーがいい感じです。やっぱりこの年代は前がスラントしてますねえ。
同じくフォード6610。ぴょこっと飛び出したハンドル部分のナセルというかカバーがいい感じです。やっぱりこの年代は前がスラントしてますねえ。
こちらはフォード5030だそうです。ちょっと丸顔
こちらはフォード5030だそうです。ちょっと丸顔
そしてこれが問題のニューホランドマーク付。どう見てもフォードですねっ!
そしてこれが問題のニューホランドマーク付。どう見てもフォードですねっ!

機械多様性だって必要だ!

農業機械はプロ専用ですから程度の差はあるけれどスキルのあるその道のプロが使います。

現在のクルマや家電のようにプロでない人も使う機械と違って「レンジで濡れたネコを乾かさないで下さい」なんていうことまで注意書きに書かなくても良かったでしょうから、すごく小さな会社でも作ることができたでしょう。

でも世の中がある程度裕福になって量産しなくてはならなくなった時に村の鍛冶屋さんが作った農機具屋さんは体力がなくて次々と合体して行っちゃったんでしょうね。何だかつまらないなあ・・・

生物多様性というものが自然には必要だ・・・なんて言われてますけど、機械にも機械多様性があるといいですよね。

雑草がたくさんの種類生えているように、背丈を極端に低くしたり高くしたりして空中の空いている位置を占有したり、ロゼットちゃんで耐えて冬越しして春にスパートをかけたりするように、小さくて弱いところは隙間を見つけなくてはならないですけど・・・

使うほうも大手の広告に惑わされす、自分に合った機械を選ぶようにすればたくさんの種類が雑草みたいに同時に存在することができるんじゃないかな?

証明することはできないですけど、独占企業がどんなに素晴らしい機械を数々提供したとしても、きっとどこかに穴があって、知らないうちにみんなが機会を喪失するようなこと起きるんだろうなって思います。