動力式の前は手押し式田植機。カンリウ田植機農研号TML1-1型/TMI-1型「田植機考古学」

今日は田植機考古学。千葉県の伊藤産業機械さんに連れて行っていただいた、私設の農機具歴史資料館で見た、カンリウ工業株式会社製人力田植機、カンリウ田植機農研号TMI型です。

 

カンリウ工業株式会社製人力田植機、カンリウ田植機農研号TM1-1型です。 木製の苗箱が上に載っています。こういう箱を使って苗を育てたのですね!大きさはかなりコンパクト。ラジコンボートをふたまわり小さくして車輪とハンドルをつけた感じでしょうか?

カンリウ工業株式会社製人力田植機、カンリウ田植機農研号です。
木製の苗箱が上に載っています。こういう箱を使って苗を育てたのですね!大きさはかなりコンパクト。ラジコンボートをふたまわり小さくして車輪とハンドルをつけた感じでしょうか?

 

同じような手押し式田植機が2つあるのですが、これは先ほどのものに比べ、苗タンクの形状が違います。これはどういうことでしょう?

同じような手押し式田植機が2つあるのですが、これは先ほどのものに比べ、苗タンクの形状が違います。後ろは平置きタイプ。こちらはスライダータイプ。これはどういうことでしょう?

 

反対側に回ってみます。スライダーの手前は絞られていますね・・・苗押えが付いています。この形から考えるとマット苗用の田植機ではありませんね。ひも苗かバラ苗用の田植機ではないでしょうか?

反対側に回ってみます。スライダーの手前は絞られていますね・・・苗押えが付いています。この形から考えるとマット苗用の田植機ではありませんね。ひも苗かばら苗用の田植機ではないでしょうか?

 

銘板が付いています。

銘板が付いています。

 

拡大してみます。  カンリウ田植機 農研号 型式 TML1-1型 製造NO 特許 第455435 他10件 カンリウ工業株式会社 長野県塩尻市 とあります。

拡大してみます。 
カンリウ田植機
農研号
型式 TMLI-1型
製造NO
特許 第455435 他10件
カンリウ工業株式会社
長野県塩尻市
とあります。

 

一方、マット苗タイプと思われるほうの機械にも銘板が付いています。

一方、マット苗タイプと思われるほうの機械にも銘板が付いています。仕様にあたっての注意書きも見えます。その中で僕の興味を引いたのは、赤字で書かれた一番最後の「この田植機はISOネジを使用しています」というもの。確かイセキのさなえも「ISOネジ使用」を謳っていました。なんだかこの頃がインチネジからISOネジへ移行した時期なのかもしれません。Wikipediaによれば、1975年から毎年6/1を「ねじの日」とされているそうです。

 

拡大してみます。 カンリウ農研号 田植機 型式 TMI-4型 製造NO 特許 第455435号 外5件 長野県 カンリウ工業株式会社 塩尻市 とあります。やはり型式の違う2台でした。

拡大してみます。
カンリウ農研号
田植機
型式 TMI-4型
製造NO
特許 第455435号 外5件
長野県 カンリウ工業株式会社 塩尻市
とあります。やはり型式の違う2台でした。

 

こちらはその(仮にひも苗用とします)TMI-4型の上付け部。どうなっているのかよくわかりませんが、この歯車様のもので苗を引き千切って土に埋込む感じではないでしょうか?

こちらはその(仮にひも苗用とします)TMLI-1型の植付け部。どうなっているのかよくわかりませんが、この歯車様のもので苗を引き千切って土に埋込む感じではないでしょうか?

 

そしてこちらがTML1-1型(仮にマット苗用とします)の植付け部。

そしてこちらがTMI-4型(仮にマット苗用とします)の植付け部。こちらの歯車は細く長いですね・・・もしマット苗だったら、歯車の位置を固定したままマットのほうを動かさなくてはなりません。う〜ん・・・どういう動きをするのか想像もつかない・・・

 

キャプションには 菅リューの受けん号田植機 昭和38〜昭和43年 長野県塩尻市 カンリュウ工業株式会社製 とあります。

TMLI-1型のキャプションには
カンリュウ農研号田植機
昭和38〜昭和43年
長野県塩尻市 カンリュウ工業株式会社製
とあります。

 

しかし、僕はもう少し新しいものではないかと考えています。その理由としてはまず・・・

 

ひも苗式?のTMLI-1型、マット苗用?のTMI-4型の銘板に書かれていた特許、第455435号を検索してみると、公益社団法人、発明協会の頁がヒットしました。その中の全国発明表彰 昭和44年受賞者一覧 賞 名 技術(創作)の中で田植機として発明賞を取ったことになっています。

 

昭和44年、つまり1970年のことですね。また、注意書きに「この田植機はISOネジを使用しています」と書かれ、さらに昭和46年(1971年)発売のイセキさなえにも書かれ、1975年からネジの日が制定されていることから、70年代から規格統一の流れが大きくなっていたと思われます。

 

以上のぼんやりとした理由ですけど、動力式田植機が一気に出てきた1970年代初めに寄り添うように、この人力田植機も出てきたのではないかと想像します。そのためにマット苗方式とひも苗方式があるのではないかと・・・

 

動力付の高価な田植機を使う比較的大きな農家だけでなく、小規模農家も田植えが楽になるよう動力式田植機より安価な人力田植機を提供しようとしたのではないか? などと想像してしまいます。

 

田植機は情報が少ない分、想像が膨らんで楽しいですよね!今日はここまでです。また明日!

 

 

 

 

 

 

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