昨日、もっと近くで見たいと書いたせいなのか、思いもかけず、鴨の親子を間近で見ることができました。車で走っていたのですが、鴨がたくさんの子供を連れて道を歩いているのを見かけたのです。急いで車を停め、たまたま持っていたカメラをつかんで近よりました。すると、道ばたの草むらに駆け込んだ親子とは、僕が考えるよりもずっとずっと近くの距離で鴨と目が合ってしまいました。(およそ1M!)向こうもびっくりしたでしょうが、僕もびっくりしました。しかし、さすが野生です。親はじっとこちらを窺って動きません。子供もそれに習ってぴくりともしません。まるで、「だるまさんが転んだ」です。草むらの陰からこちらを見る鴨母の目は、けっこう怖く、黒い小さい瞳孔にオレンジ色の虹彩が魚の目みたいでした。
しばらくじっと写真を撮らせていたのですが、やはり経験が浅いのか、緊張に耐えられなくなったヒナが一羽駆け出すともう止まりません。一斉に薮の奥へダダダッと走っていってしまうと、今度は母さんが反対方向へ駆け出していって、道路の真ん中でぐるぐる回りだしてしまいました。「ピイピイ」とヒナたちがお母さんを呼ぶのですが、お母さんは見当違いのところをぐるぐる回ってなかなかヒナのところへは行けません。最終的にはヒナの待つ草むらに戻りましたが、なんだか申し訳ないことをしました。驚かせてゴメンね、おかあさん。