話はいつだって大きくなる

大きな話はほんのちょっとの真実と大きなウソでできていると思います。しかし、その大きなウソがとてつもなく魅力的・・・僕の頭の中にあっという間にこんな絵が浮かびました。

昨日の代かきシーン収集のオマケです。土地には土地自身(地面に人格はないかもしれませんが・・・)が持っている記憶や面白い話があります。今日はそんな話をひとつ。

そしてその後クレイソンコンバインがどうなったかというと、八郎潟へ行ってしまったといいます。そしてその八郎潟でも田んぼに沈んでしまったと。
茨城で稲刈りを画期的に楽にするという外国製汎用コンバインが導入され始めた当初、実は収穫の歩留まりが悪かったため普及せず、使われなくなったコンバインは八郎潟へ行ってしまったといいます。そして柔らかい八郎潟の田んぼに沈んでしまったということです。(絵は僕のイメージで、実際は引き揚げられたかもしれません)

昨日はこんな話を紹介しました。「本当は乾燥地で小麦の収穫に使われるホイールコンバインが日本の田んぼに合わなかった」というだけの話かもしれませんが、圧倒的に「コンバインの屍が八郎潟の地下に積み上がっている」というほうがおもしろいです。

こんな風に話というものは大きくなりがちですが、Kさんに聞いた話もすごく興味を引かれました。その前に基礎知識のレクチャーをガマンして読んでください。

しつこくマコモ層の説明(ごめんね)

このあたりは昔「浦(た分霞ヶ浦)」だったということで田んぼのすぐ下には遺骸が十分分解されずに堆積した「マコモ層」と呼ばれる地層があります。
このあたりは昔「浦(た分霞ヶ浦)」だったということで田んぼのすぐ下には植物の遺骸が十分分解されずに堆積した「マコモ層」と呼ばれる地層があります。田んぼの断面を描いてみました。

Kさん曰く「稲刈り後に植物の残滓などを燃やすと、そのマコモ層に火が入り何日も燃えている」なのですが、たぶんKさん自身もそれを見たことはなさそうです。

Kさんが持っているのがマコモ層。土というより繊維です。
Kさんが持っているのがマコモ層。土というより繊維です。多分泥炭とかピートなどと呼ばれる種類のものですよね?

泥炭をWikipediaで調べてみると・・・

泥炭(でいたん、英語: Peat)は、状ので、石炭の一種。石炭の中では植物からの炭化度が少ない。石炭と泥の中途半端のような状態のものであると言える。見た目は湿地帯の表層などにある何の変哲のない普通の泥だが、可燃物である。採取して乾かせば燃料として使用できる一方で、山火事の延焼要因ともなる[1]。別名にピート、あるいは草炭そうたんとも呼ばれる。

とあります。泥炭は若い石炭なんですね。マコモ層と似たところがたくさんあります。もし、マコモ層が燃えるのなら泥炭そのものですよね。

Wikipediaから泥炭の写真を引っぱってきました。マコモ層が繊維っぽく堆肥のように見た目とそっくりです。
Wikipediaから泥炭の写真を引っぱってきました。マコモ層が繊維っぽく堆肥のように見た目とそっくりです。

マコモ層は泥炭だった・・・というのも十分興味深く、マコトかウソかそれが地中で何日も燃えるというのもなかなか話が大きく面白いのですが、もっと大きい話を聞いてしまいました。

いでよ柳田國男

マコモ層は植物の遺骸が十分分解されずに堆積したものであり、それが故に繊維状で軽いという特長があります。

つまり田んぼは40〜50cmの厚みのスポンジの上に乗っているということになります。

で、Kさんのこんな話です。

「洪水の時に田んぼがそっくり流されて補償金を貰った人がいる」

!これは大きい!大きすぎる話です。なんだか昔話みたいな話ですが、それと違うのは補償金などという生臭い単語が混じっていることです。

大きな話はほんのちょっとの真実と大きなウソでできていると思います。しかし、その大きなウソがとてつもなく魅力的・・・僕の頭の中にあっという間にこんな絵が浮かびました。
大きな話はほんのちょっとの真実と大きなウソでできていると思います。しかし、その大きなウソがとてつもなく魅力的・・・僕の頭の中にあっという間にこんな絵が浮かびました。うどんのつゆに浮かぶ油揚げが、どんぶりのフチに引っかかっているように、田んぼががプカプカと浮かんで6号線に引っかかっている図です。

軽いマコモ層の下に水が入り込めばありそうでもあり、「まさかねー」と、ありそうもない話・・・もし現代に柳田國男がいたら飛びついて「常陸物語」とか「霞ヶ浦物語」なんて書きそうです。

もしそんなことがあるのならこの目で見て確かめたいものです。

「話は大きくなる」でも「大きい話はおもしろい」

今日はこんなところです。また明日!

詳報『代かきシーン収集』深い田んぼの暗渠工事後の代かき

今日は昨日の続き。Kさんの代かきシーン収集です。Kさんの代かきを見るのはほぼ1年ぶり。その間にトラクターが新しいヤンマーYT357Aに変わっていました。

『代かきシーン収集』とは「農家の人は自分以外の人が作業しているのをまじまじと見たことがないのではないか?」という仮説に基づき、そんな農家の人の代わって代かきシーンを僕がまじまじと見てやろう・・・というシリーズです。

(詳しくは『代かきシーン収集とは』のリンクを辿ってみてください)

今日は昨日の続き。Kさんの代かきシーン収集です。Kさんの代かきを見るのはほぼ1年ぶり。その間にトラクターが新しいヤンマーYT357Aに変わっていました。
今日は昨日の続き。Kさんの代かきシーン収集です。Kさんの代かきを見るのはほぼ1年ぶり。その間にトラクターが新しいヤンマーYT357Aに変わっていました。

前回はヤンマーEG453でしたね

 

 

 

今回の動画はこちら。ちょっと危なかったです

 

 

元々深い田んぼらしい

 

去年も書きましたが、このあたりは枯れた植物の層「マコモ層」があってとても柔らかい土地だそう。作っていない田んぼにもこのように、セイタカアワダチソウのような雑草ではなく、マコモで覆われています。これの枯れたものが長い間掛けて堆積しているみたいです。
去年も書きましたが、このあたりは枯れた植物の層「マコモ層」があってとても柔らかい土地だそう。作っていない田んぼにもこのように、セイタカアワダチソウのような雑草ではなく、マコモで覆われています。これの枯れたものが長い間掛けて堆積しているみたいです。
マコモ層の露頭。堆肥かと思いました。フカフカで、このうえで飛び跳ねるとボヨンボヨンします。
マコモ層の露頭。堆肥かと思いました。フカフカで、このうえで飛び跳ねるとボヨンボヨンします。
Kさんが持っているのがマコモ層。土というより繊維です。
Kさんが持っているのがマコモ層。土というより繊維です。多分泥炭とかピートなどと呼ばれる種類のものですよね?

その軟弱地盤にくわえて・・・

 

暗渠の工事をしてしまい、このように凸凹になった状態での代かきとなってしまいました。田んぼの中央は昔川で、毎年真ん中が下がってしまうそうです。
暗渠の工事をしてしまい、このように凸凹になった状態での代かきとなってしまいました。田んぼの中央は昔川で、毎年真ん中が下がってしまうそうです。
縦横2本ずつ暗渠が入っていて、この棒はその目印。特にタテヨコの交差点ではかなりトラクターの挙動が危なかったです。
縦横2本ずつ暗渠が入っていて、この棒はその目印。特にタテヨコの交差点ではかなりトラクターの挙動が危なかったです。
右足が暗渠の穴に取られているのでしょう。傾いています。動画でももう少し派手なのが撮れたのですが、写真にも動画にも撮れなかった時がすごかったです。ハンドルをいくら切っても溝から脱出できずどんどん傾いてきた時は自分じゃないのにドキドキしました。
右足が暗渠の穴に取られているのでしょう。傾いています。動画ではもう少し派手なのが撮れたのですが、写真にも動画にも撮れなかった時がすごかったです。ハンドルをいくら切っても溝から脱出できず、どんどん傾いてきた時は自分じゃないのにドキドキしました。
結局もう一回ここに回ってきた時はこのようにハローを半分畳んで溝に足を落とさないように走っていました。
もう一回ここに回ってきた時は、このようにハローを半分畳み、溝に足を落とさないように走っていました。
景色はいいんですけどねぇ・・・傾いてきた時は思わず「八郎潟にはあまたトラクターが埋まっている」という話を思いうかべました。
景色はいいんですけどねぇ・・・傾いてきた時は思わず「八郎潟の田んぼは柔らかく、コンバインがたくさんが埋まっている」という話を思いうかべました。
そしてその後クレイソンコンバインがどうなったかというと、八郎潟へ行ってしまったといいます。そしてその八郎潟でも田んぼに沈んでしまったと。
茨城で稲刈りを画期的に楽にするという外国製汎用コンバインが導入され始めた当初、実は収穫の歩留まりが悪かったため普及せず、使われなくなったコンバインは八郎潟へ行ってしまったといいます。そして柔らかい八郎潟の田んぼに沈んでしまったということです。(絵は僕のイメージで、実際は引き揚げられたかもしれません)
水が多めなのかもしれませんが、深いと言えば深い・・・
水が多めなのかもしれませんが、深いと言えば深い・・・
島地区ではあまり見ない、水の浸かり方のように思います。
島地区ではあまり見ないトラクターの水の浸かり方のように思います。
穴を掘った残土がなかなか寄せきれません。
穴を掘った残土がなかなか寄せきれません。
Kさん1時間半ほどもここで苦労していましたが・・・
Kさん1時間半ほどもここで苦労していましたが・・・
ついにあきらめて出てきてしまいました。ちょうど目の前にある高い部分・・・ここは危なくてどうにもならないそうです。「あとちょっとなんだけどなぁ・・・」というのですが、2かい走って柔らかくなっていますから、ここに突っ込んだらもうアウトというカンが働いたのでしょう。
ついにあきらめて出てきてしまいました。ちょうど目の前にある高い部分・・・ここは危なくてどうにもならないそうです。「あとちょっとなんだけどなぁ・・・」というのですが、2かい走って柔らかくなっていますから、ここに突っ込んだらもうアウトというカンが働いたのでしょう。
田植機は走れないから、歩行型で田植えをする・・・とKさん言っていました。
ケンオクヤマ顔のヤンマーですが、ひとつ思ったのは、「畑で見かけると何となく違和感があったのに、結構田んぼに似合うじゃん」ということです。
ケン・オクヤマ顔顔のヤンマーですが、ひとつ思ったのは、「畑で見かけると何となく違和感があったのに、結構田んぼに似合うじゃん」ということです。
こうやって見ると水とも緑ともケンカしない、でも目立ついい色ですし
こうやって見ると水とも緑ともケンカしない、でも目立ついい色ですし
デザインもここなら違和感がありません。やっぱりトンボだから水と相性がいいのかなぁ・・・
デザインもここなら違和感がありません。やっぱりトンボだから水と相性がいいのかなぁ・・・

今日はこんなところです。また明日!

代かきシーン収集