勝手にオリエンテーリング2016・・・キンランを探せ!

『いつもの春のパトロール(山編)』にkobbasanさんからコメントをいただきました。

「名前はキンラン、地生の蘭です。私自身これほど良い状態で見るのは40~50年ぶりです。興奮しました。」

もう早速見に行くしかありません。ワクワクしながら勝手にオリエンテーリング2016です。

キンランとは
テングダケなどのキノコの菌から栄養を貰って咲くランなんて一体どんな姿をしているのでしょう・・・きっと普通じゃないはずです。どんなおどろおどろしい姿なのかな? イメージは葉がなく、不気味な花が地上にいきなり咲いている感じ。

しかし、いくら探しても見つかりません。「無いなあ・・・」手ぶらで帰るのもなんなので、見慣れない黄色い花をカメラに収めて帰りました。だいたい、想像だけでどんな花、葉なのかも知らず行けば、見つからないのもあたりまえです。

「あらかじめリサーチしてから行けばよかったかなあ・・・」などとあらためてキンランを調べてみると・・・

キンラン

キンラン(金蘭、Cephalanthera falcata)はラン科キンラン属の多年草で、地生ランの一種。和名は黄色(黄金色)の花をつけることに由来する。  特徴 山や丘陵の林の中に生える地上性のランで、高さ30-70cmの茎の先端に4月から6月にかけて直径1cm程度の明るく鮮やかな黄色の花を総状につける。花は全開せず、半開き状態のままである。花弁は5枚で3裂する唇弁には赤褐色の隆起がある。葉は狭楕円形状で長さ10cm前後、縦方向にしわが多い。柄は無く茎を抱き、7、8枚が互生する。
なんだ! この見慣れない黄色い花がキンランなんじゃん!!

キンランはウィキペディアで調べてみると

キンラン(金蘭、Cephalanthera falcata)はラン科キンラン属の多年草で、地生ランの一種。和名は黄色(黄金色)の花をつけることに由来する。
特徴
山や丘陵の林の中に生える地上性のランで、高さ30-70cmの茎の先端に4月から6月にかけて直径1cm程度の明るく鮮やかな黄色の花を総状につける。花は全開せず、半開き状態のままである。花弁は5枚で3裂する唇弁には赤褐色の隆起がある。葉は狭楕円形状で長さ10cm前後、縦方向にしわが多い。柄は無く茎を抱き、7、8枚が互生する。

キンラン(金蘭、Cephalanthera falcata)はラン科キンラン属の多年草で、地生ランの一種。和名は黄色(黄金色)の花をつけることに由来する。  特徴 山や丘陵の林の中に生える地上性のランで、高さ30-70cmの茎の先端に4月から6月にかけて直径1cm程度の明るく鮮やかな黄色の花を総状につける。花は全開せず、半開き状態のままである。花弁は5枚で3裂する唇弁には赤褐色の隆起がある。葉は狭楕円形状で長さ10cm前後、縦方向にしわが多い。柄は無く茎を抱き、7、8枚が互生する。
見事な黄色。イメージは黄色い上を向いたスズラン。そういえばスズランもランだったんだ・・・なんだか、ランというと「胡蝶蘭のようなデカくてヘンテコな花をつけるもの」といったイメージがあって、こういう普通の野草のようなものが一番に出てこなかったのです。これがキンランかあ・・・

キノコの菌から栄養を得ている話もウィキペディアに出ていました。ちょっと長くなるのですが、引用してみます

キノコの菌から栄養を得ている「キンラン」

性質に関して

キンランの人工栽培はきわめて難しいことが知られているが、その理由の一つにキンランの菌根への依存性の高さが挙げられる。

園芸植物として供させるラン科植物の、菌根菌(ラン科に限ってはラン菌という言葉も習慣的に用いられる)はいわゆるリゾクトニアと総称される、落ち葉や倒木などを栄養源にして独立生活している腐生菌である。 ところがキンランが養分を依存している菌は腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成するイボタケ科、ベニタケ科(担子菌門)などの菌種である[2] [3]。外菌根菌の多くは腐生能力を欠き、炭素源を共生相手の樹木から得、一方で樹木へは土中のミネラル等を供給し共生している。キンランはその共生系に入り込み、養分を収奪し生育している。

ラン科植物は多かれ少なかれ菌類から炭素源(糖分など)や窒素源(アミノ酸など)を含め、さまざまな栄養分を菌根菌に依存している[4]。。菌への依存度はランの種類によって異なり、成株になれば菌に頼らなくても生きていける種類(独立栄養性種=栽培できる有葉ラン)から、生涯を通じてほとんどすべての栄養分を菌に依存する種類(菌従属栄養性種=一般に‘腐生ラン’と総称される)までさまざまな段階がある。本種の菌依存度は独立栄養植物と菌従属栄養植物の中間(混合栄養性植物)で、坂本らの調査[5]によれば本種は炭素源の34~43%、窒素源の約49%を菌から供給されており、同属のギンランでは炭素源の48~59%、窒素源の90%以上と、さらに高い依存度を示している。

このような性質から、キンラン属は菌類との共生関係が乱された場合、ただちに枯死することは無いが長期的に生育することは困難になる。そのため、自生地からキンランのみを掘って移植しても5年程度で枯死してしまう。外生菌根菌と菌根共生するラン科植物は多くあり、キンランと同様に里山に生育するオオバノトンボソウ(ノヤマトンボソウ)も同様の性質を持つ[6]

ランの仲間は栄養素の取得を菌に頼っているのですね。そういえば過日の『緑肥のレンゲソウとノウルシ2016』でも根粒菌が無いとレンゲが元気にならない・・・なんていう話題にもなっていました。もしかしたらどんな植物も大なり小なり「菌」に栄養源の収集を委託しているのかもしれません。

まあ、人間はその植物に栄養源の収集を委託しているわけですけど・・・

キンラン(金蘭、Cephalanthera falcata)はラン科キンラン属の多年草で、地生ランの一種。和名は黄色(黄金色)の花をつけることに由来する。  特徴 山や丘陵の林の中に生える地上性のランで、高さ30-70cmの茎の先端に4月から6月にかけて直径1cm程度の明るく鮮やかな黄色の花を総状につける。花は全開せず、半開き状態のままである。花弁は5枚で3裂する唇弁には赤褐色の隆起がある。葉は狭楕円形状で長さ10cm前後、縦方向にしわが多い。柄は無く茎を抱き、7、8枚が互生する。
なかなかピントが合わない・・・花の間にクモが隠れています。

同じくウィキペディアのキンランの項に保全状況の記載があります。

元々、日本ではありふれた和ランの一種であったが、1990年代ころから急激に数を減らし、1997年に絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)として掲載された。また、各地の都府県のレッドデータブックでも指定されている。

茨城県の状況は?と思い、ちょっと調べてみました。

茨城県で「キンラン」の置かれている状況は?

環境省では2012年に絶滅危惧Ⅱ種VUに指定して、関東五県のうち、福島・栃木・埼玉は同じ指定か、千葉などは言葉を変えて「要保護」となっていますが、茨城だけはブランク。茨城ではまだたくさん見られるということなのでしょうか? kobbasanさんが「これほど良い状態で見るのは40~50年ぶり」とおっしゃるのとは少し離れているような気がしますが・・・
環境省では2012年に絶滅危惧Ⅱ種VUに指定して、関東五県のうち、福島・栃木・埼玉は同じ指定か、千葉などは言葉を変えて「要保護」となっていますが、茨城だけはブランク。茨城ではまだたくさん見られるということなのでしょうか? kobbasanさんが「これほど良い状態で見るのは40~50年ぶり」とおっしゃるのとは少し離れているような気がしますが・・・

絶滅危惧II類(VU)というのも調べてみました

絶滅危惧II類(VU)

ッドリスト(英語: Red List, RL)とは、国際自然保護連合(IUCN)が作成した絶滅のおそれのある野生生物のリスト。正式には The IUCN Red List of Threatened Speciesという
ッドリスト(英語: Red List, RL)とは、国際自然保護連合(IUCN)が作成した絶滅のおそれのある野生生物のリスト。正式には The IUCN Red List of Threatened Speciesという・・・そうです。

ちょっとこれでは横文字でわかりにくいので書き直してみました。

ッドリスト(英語: Red List, RL)とは、国際自然保護連合(IUCN)が作成した絶滅のおそれのある野生生物のリスト。正式には The IUCN Red List of Threatened Speciesという
文字が小さくてすみません。クリックすると拡大します。

この分類で行くと「キンラン」は「絶滅危惧II類 (Vulnerable, VU) – 絶滅の危険が増大している種」と絶滅危惧クラスでいうところの一番軽い区分になっています。

とはいってもこの区分けは上の2つが、近い将来の絶滅可能性とごく近い将来の絶滅可能性という、時間的に分けられているみたいですから、いつまでという時間のスパンはわからないけど絶滅可能性がある・・・と絶滅までのカウントダウン、時間のスパンの違いだけのような気がします。

キンラン(金蘭、Cephalanthera falcata)はラン科キンラン属の多年草で、地生ランの一種。和名は黄色(黄金色)の花をつけることに由来する。  特徴 山や丘陵の林の中に生える地上性のランで、高さ30-70cmの茎の先端に4月から6月にかけて直径1cm程度の明るく鮮やかな黄色の花を総状につける。花は全開せず、半開き状態のままである。花弁は5枚で3裂する唇弁には赤褐色の隆起がある。葉は狭楕円形状で長さ10cm前後、縦方向にしわが多い。柄は無く茎を抱き、7、8枚が互生する。
この外見からはまったく、「まったく」「マッタク」掘りあげてい移植しても育たない。なぜかというとキノコに依存しているから・・・なんて、想像だにできません。

それだけにこの「絶滅危惧II類 (Vulnerable, VU) – 絶滅の危険が増大している種」、「いつまでという時間のスパンはわからないけど絶滅可能性がある」というのはかなり確からしいように感じます。

下草刈りなどが減ってきたのもこのキンランが見られなくなったことの理由に挙げられていましたが、こんな植物のためにも結構環境保全活動の草刈りが役に立ってたら嬉しいなあ・・・と思いました。

上の記事とゆるく関連しているほかの記事:

“勝手にオリエンテーリング2016・・・キンランを探せ!” への5件の返信

  1. kobbasanさん おはようございます

    キンポウゲですか・・・みていませんでした
    こちらも是非チェックしてみます

  2. noraさんお晩です

    せっかくトンネルくぐるのでしたら
    右角と左角見てください

    もう写真撮られているかもですが、今の時期ポプュラーなキンポウゲ科の植物植物ですが右はキンポウゲ科キンポウゲ属ウマノアシガタ、左は野生種にあってはキンポウゲ科キンポウゲ属キンポウゲで良いのではと思います。

  3. kobbasanさん おはようございます

    pdf3にキンランを見つけました!
    茨城県2012で準絶滅危惧になっています
    僕の見たものが古かったのですね

    また見に行って、菌輪というものを感じてみたいと思います。

  4. noraさん、訂正です。

    順絶滅危惧 → 準絶滅危惧

    シラカシは杉の幼木のくっついている樹が
    菌輪の中心と思います。

  5. noraさん今日は、早速のおいで、ありがとうございます。

    絶滅危惧じゃない?
    茨城県版レッドデータブック<植物編>2012改訂版では順絶滅危惧種になってました。PDFファイル3

    理由は県内各地に生育するが、個体数は少ない。私が最後に見たのがあの大震災のころそれも2株のみ、これなら感覚的に納得です。

    私の地域で、山林所有は約50軒、下草刈までして保全しているのが、高齢の方が丹精している2~3軒、私が見たのもその1件の林です。もう見れないと思っていたから
    うれしいんです。

    何より嬉しいのは、頑丈な柵の中の土手に、1本の生きたシラカシの周り6畳位の範囲に20株以上のキンランがあり、その下の菌糸広がりも見えるような気がして、感激しました。ぜひ再チャレンジよろしく。

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