常磐道の北はダークツーリズム道に思えた

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トラクターの写真が撮りたくて、北のほうへ行ってきました。何気なしにスマホのお勧めする道を見ると常磐道はもう仙台へ抜けています。「そういえばそんなニュースやっていたな・・・」と常磐道を最後までを走ってみることにしました。(今までだと常磐道→磐越道→東北道という流れでした)

走るまで忘れていたのですが、常磐道は福島の帰還困難区域を通ります。

画像はNEXCO東日本のWEBサイトより
画像はNEXCO東日本のWEBサイトより
行きはちょっとしたショックもあって、写真を撮るということに気づかず、写真は帰りのもので、鳥の海PA付近です。左右にはもうすぐ稲刈りの田んぼが広がって、どちらかといえば薄緑+黄色っぽい風景。
行きはちょっとしたショックもあって、写真を撮るということに気づかず、写真は帰りのもので、鳥の海PA付近です。左右にはもうすぐ稲刈りの田んぼが広がって、どちらかといえば薄緑+黄色っぽい風景。

初めのうちは乗ったときから続く大場町と変わらない田園風景だったのですが、だんだん様子がおかしくなってきます。何だか人の気配がしなくなってくるんです。そしてどこもかしこも緑、緑、緑・・・

多分田んぼであろうという場所に植わっているのは稲ではなく、ただの草のようです。そして田んぼも畑も山も家もまったく区別なく、切れ目なく・・・緑の塊のように見えます。

わかりにくいですけど動画です(これも帰りのもの)

よく、心を亡くすと書いて「忙しい」などと言いますが、僕は忙しかったのか、まったく意識が向いていなかったので、不意打ちを喰らってしまった感じがしました。今、島地区では稲刈りをしていますが、同じ田んぼがこの場所ではこの状態なんです。

多分田んぼであろうという場所にあるのは稲ではなく、ただの草のようです。そして田んぼも畑も山も家もまったく区別なく、ひとつの塊のように見えます。

よく生活臭などといいます。人間が生活している雰囲気がにじみ出ていることをいうのだと思いますが、「それってあるなあ」と、実感してしまったように思います。

「気配」ともいいますか? 明らかにヒトが生活しているところと、帰還困難区域なので、ヒトが出て行っていないところが外から見てわかるように感じるんです。

ヒトも自然の一部ですが、ちょっと異色で、存在しているだけで騒々しいのだと思います。だから、ヒトがいないと静かで、しんとしている・・・もしかしたら、ヒトの意思やエネルギーは目に見えないけど、実は感じることができるのかもしれません。

ですから今は、長い間かけて作ってきた農地はどう見ても絶望的なことになっていますが、いつかヒトが戻ってきたらきっと見える風景も印象も変わると思います。

ヒトがいない理由はこれだと思います

常磐道南相馬⇔広野区間は0.2μSv〜4.6μSVの線量があるのです。すっかり忘れていました。
常磐道南相馬⇔広野区間は0.2μSv〜4.6μSVの線量があるのです。すっかり忘れていました。
浪江⇔常磐富岡 間のモニタリングポストの値は4.6μSv
浪江⇔常磐富岡 間のモニタリングポストの値は4.6μSv
大場町だと単位は違いますが、現在はだいたい60ナノグレイです。
大場町だと単位は違いますが、現在はだいたい60ナノグレイです。

茨城県の放射線インターネット表示局サイトによれば、

(参考1)
 空間線量率の測定結果のため、「nGy/h(ナノグレイ/時間)」と表示されておりますが、
緊急時における「nGy/h」と人体への影響を表す「nSv/h(ナノシーベルト/時間)」は同じ値です。
  1nGy/h(ナノグレイ/時間)=1nSv/h(ナノシーベルト/時間)

(参考2)
 胸部レントゲン1回あたりの線量は、
 50,000nSv(ナノシーベルト)=50μSv(マイクロシーベルト)です。

(参考3)
 1000nSv(ナノシーベルト)=1μSv(マイクロシーベルト)=0.001mSv(ミリシーベルト)

ということなので、4.6μSvは大場町の表の単位、ナノグレイにすると4,600ナノグレイ(間違ってたら教えてください)・・・震災当時この大場のサイトをチェックしていたときも100ナノグレイをちょっと越えたくらいだったと記憶しているので、4,600はかなり高い価です。

そのため国道6号線は二輪車通行不可のようです。高速のほうはちらほら単車を見かけました。
そのため国道6号線は二輪車通行不可のようです。高速のほうはちらほら単車を見かけました。

常磐道にいる間ずっと、モヤモヤ色々なことを考えていました(考えただけで、まとまっているわけではありませんが)。この道が高速で高いところを通っているせいもあり、まずい考え方なのかもしれませんが、帰還困難区域に掛けた木道のように思えてきました。

ダークツーリズムという考え方があるそうです。観光というと物見遊山と捉えられがちですが、光るものを発見し、学ぶという意味があるように思います。ダークツーリズムの場合、観暗ですが、そこから何かに気がついたり学んだりすることもあるのではないでしょうか?

そういった意味で常磐道の北方はダークツーリズム道でした。ただ、実際今走っているところの草原が田んぼだったのか、畑だったのか、それとも見た通り草原だったのかがわからないので、ぼくの思ったことも想像もしくは妄想でしかありません。

「ここから帰還困難区域」という看板なども上がっていましたが、今はスマホにGPSも付いていますから、高速の現在地のまわりの状況が実際どうなっているか、解説するアプリがあったらいいな・・・と思いました。

観光バスなども走っていましたので、きっと自分のことに引き比べて考えるきっかけになるのではないかと思います。

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“常磐道の北はダークツーリズム道に思えた” への2件の返信

  1. 愛読者さん おはようございます

    自宅から遠いせいか、普段の意識の中から遠のいています。

    本当はもっと気にかけていたいのですが。。。

    それが普通ではないでしょうか・・・。僕がそう考えたのは仕事が薄くてヒマだったからだと思います。
    理性では気にかけていたいけど、人間のシステムがそうさせている・・・やっぱり、忘れてしまわないと心が病んでしまう部分も大きくあるなあ・・・と感じます。

  2. 人が暮らさなくなって草木に飲まれていく故郷の姿を、高速道路を通り過ぎながら眺めるしかない方々の無念というか、そういうものを思うとやりきれない気持ちになりますが、私が心を亡くしているせいか、自宅から遠いせいか、普段の意識の中から遠のいています。

    本当はもっと気にかけていたいのですが。。。

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