進化の袋小路ではなく、お金的な袋小路?MAN Ackerdiesel・・・「撮りトラ」

今日は、北海道上富良野町にあるスガノ農機の『「土の館」 土と犂の博物館』で見た、MANトラクタ「撮り虎」です。

MANというと、僕としてはダカールのレーシングトラックを思い浮かべます・・・トラクターを作っていたんだなあ・・・
MANというと、僕としてはダカールのレーシングトラックを思い浮かべます・・・トラクターを作っていたんだなあ・・・

MANじゃなくて正確にはM・A・Nなのねっ

同色で分かりにくいですけど、MとAの間、AとNの間に小さな菱形が入っています。
同色で分かりにくいですけど、MとAの間、AとNの間に小さな菱形が入っています。

MANは、Maschinenfabrik Augsburg Nürnberg(アウグスブルグ-ニュルンベルグ機械製造?)の略で、アウグスブルグとニュルンベルグはどちらも地名なので、日本のイメージで行くとちょうど石川島播磨重工業株式会社みたいな感じでしょうか? 

石川島も播磨も地名で2つの会社がひとつになった経緯も何となく似ています。

カン違いも含まれているかもしれませんが、調べたことを総合してみると、MAN AckerdieselはMANによって1921年、プラウ牽引用の歩行型みたいなものから始まり1962年まで作られたトラクターでした。

MANトラクターは、会社の中でも稼ぎの良いトラックの影に隠れたかわいそうな存在で、需要の高まった大馬力のものについても自社で作るというより、フランスのLatil社で主に作っていたみたいです。

多分1957年ころのもの。キャプションを撮るのを忘れています。
多分1957年ころのもの。キャプションを撮るのを忘れています。
MAN ackerdiesel trctor AS440A キャプション、がんばって読んでみます。
MAN ackerdiesel trctor AS440A キャプション、がんばって読んでみます。

1957年(昭和32年) MAN社製(ドイツ)AS440A型 40馬力 四輪駆動
1958年 300万円で購入(間違っているかも)今なら5千万円程度か・・・と書いてあるような気がします。

ご・せ・ん・ま・ん・え・ん・・・確かに四駆だし、すごいトラクタですけど・・・

MANの歴史続き

第二次大戦後、復活したトラクターの生産は、トラクターの生産部門をポルシェ・ディーゼルと統合した1962年まで続きました。

1962年の生産調整によってMANトラクターは消滅してしまいましたが、そのポルシェ・ディーゼルも1963年にはなくなってしまうという激変ぶり。

今となってはトラックとほとんど同じ顔のMANトラクターはすっかりコレクターアイテムになっているそうです。

以前見たバウツトラクタもそうですが、大戦後の需要増に慌てて応えたドイツのトラクターは1960年代に大再編を行ったということなのでしょう。

ドイツ的でユニークなトラクターはここで少しその個性をを抑えて、より多くの人に受入れられる普遍的なものへ変わっていったのかもしれません。

そして、機能的な部分は現在の商品として多くの人に使われ、エキセントリックで美しい部分は熱狂的なファンに今も愛されている・・・いいなあ。

1960年代初頭は資本主義の台頭?

1960年代初頭にはクラフトマンシップに溢れるトラクターはほとんどなくなってしまった感じです。きっと戦争でものを作った方法(需要が生産に追いつかない感じでどんどん大量生産)でモノを作るところがどんどんでてきて、価格的に市場を席巻してしまったのでしょう。

工芸品的にトラクターを作っていたところはジリジリと押されてしまったはずです。戦後の復興のため、色々な会社で生産していたトラクターは、戦争が終わって15年経って再編の嵐に突入し、かなりの数が淘汰されてしまった感じです。

MAN ackerdiesel trctor AS440A
板バネでフロントのホーシングを支えています。ねじれがきそうですが、それを控えのパイプで抑えているんでしょう・・・
MAN ackerdiesel trctor AS440A
単純にラック&ピニオンという感じの前輪駆動機構。デフロックな感じ。(もしかしたら何かカップリングが仕込んであるのかもしれませんが)
やっぱりデファレンシャルギアが入ってるかなあ・・・
やっぱりデファレンシャルギアが入ってるかなあ・・・

続きます。

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“進化の袋小路ではなく、お金的な袋小路?MAN Ackerdiesel・・・「撮りトラ」” への6件の返信

  1. 山葵さん おはようございます

    泥にぬかったトラクターの後輪に材木を渡して縛り付けて脱出する荒業がありますが
    フロントが軽いと失敗してひとりバックドロップなんてこともあります。

    http://www.youtube.com/watch?v=YsOYM-oBFSE

    こんな感じですね!

    丘陵地帯で流されないで畝を切れるようになったのは4輪駆動のおかげでしょうね
    平地でも直進性に貢献しています。腕のなさを道具でカバー。一度使えば止められないですね

    二輪駆動の時はどうなっていたのでしょう
    チョコレートが垂れるようにダラーンと垂れ下がっていたのでしょうか・・・

  2. 牽引負荷が掛かればウイリーして前輪の荷重が減ってしまいますからね。その割りに
    駆動力は伸びないのかと思います。ホイルベースが牽引力の目安になるのはこのためです。
    糸巻き戦車も箸が長いほうが安定するのはこの理屈。

    泥にぬかったトラクターの後輪に材木を渡して縛り付けて脱出する荒業がありますが
    フロントが軽いと失敗してひとりバックドロップなんてこともあります。

    丘陵地帯で流されないで畝を切れるようになったのは4輪駆動のおかげでしょうね
    平地でも直進性に貢献しています。腕のなさを道具でカバー。一度使えば止められないですね

  3. 愛読者さん おはようございます

    前後輪の荷重比率が50:50ならもっと増えるのでしょうが、農業用トラクターは20:80くらいで、前輪にあまり荷重が載っていないので、前輪を駆動しても牽引力はあまり増えませんね。

    荷重比率が2対8ならまさに20%になります・・・なるほど!

    そういう場面に限れば感覚的には20%以上の牽引力増加があります。

    この場合はLIVE or DIEですから、0か100かで「買って良かった」の100%です!

  4. >4輪駆動化によって「けん引力が20%増えた」

    前後輪の荷重比率が50:50ならもっと増えるのでしょうが、農業用トラクターは20:80くらいで、前輪にあまり荷重が載っていないので、前輪を駆動しても牽引力はあまり増えませんね。

    前輪が泥濘に沈み込む場面で、駆動されていることで泥を掴んで浮き上がることができれば、前輪が泥に沈むことで生じるはずだった抵抗が、わずかとはいえ牽引力に置き換わるわけですから、そういう場面に限れば感覚的には20%以上の牽引力増加があります。

  5. 発動機のシャチさん おはようございます

    確かどこかに4輪駆動化によって「けん引力が20%増えた」と書いてあったと思います
    倍になるわけじゃないのか・・・と思いましたけど

  6. 当時としてはかなり牽引力のある
    トラクターだったんでしょうね~
    フロントアクスルには当然ディファレンシャルギアが
    入っていると思います。もし入って無かったら
    恐ろしく小回りの効かないトラクター
    でしょうね。
    デフロックは付いて無いと思います。

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