毎日ドコドコうるさかったんだろうなあ・・・大場町島地区排水機場の1964年製、55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン

先日、水戸市大場町島地区の排水機場にある1964年製、クボタ4気筒ディーゼルエンジンを見てきました。(排気量、形式などはよくわかりません)現在はモーターに置き換えられていて稼働していないのですが、きっと何かあった時には短期間で復活するでしょう。

水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製クボタ4気筒ディーゼルエンジン
手前から、クボタ製ポンプ、同じくクボタ製減速機、置き換えられたモーター、使わなくなって後ろにスライドされてしまった1964年製クボタ4気筒ディーゼルエンジンです。置換されたモーターはディーゼルエンジンに比べて圧倒的にコンパクトなのがわかります。

口径550ミリクボタポンプ

形式DF 回轉數386r/m 製造番號495544 口径550mm 揚水量38.28㎥/m 原動機55PS 製造40年1月 久保田鉄工株式会社とあります。
形式DF 回轉數386r/m 製造番號495544 口径550mm 揚水量38.28㎥/m 原動機55PS 製造40年1月 久保田鉄工株式会社とあります。
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
1964は年式でしょう・・・550は口径ですね

クボタ減速機

水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
こちらが減速機の銘板。クボタ減速機 形式RHR200 伝達動力55PS 高速軸900rpm 製造番号485645 歯車H.G 速比1:2.308 低速軸390rpm 製造年月40年1月 

モーターは飛ばしてクボタディーゼルエンジン

水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン。油でネットリまんべんなくコーティングされた姿でいらっしゃいます。今まで座っていた位置を若くてきれいで力強いモーター君に譲り、まさに実際に窓際に追いやられた姿です。

水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
同じユニットが4つ並んでいるレイアウト
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
四角くてかわいいです。
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
見慣れないクボタのロゴ
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
kuramotokeiki と書いてあるように思います。シリアルは手描きっぽい? 
今もありました! 大正創業みたいです。
今もありました! 大正創業みたいです。
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
直径10センチ以上あると思われる巨大なスリーブ。ショートストロークの単車のエンジンを見慣れている身からすると、異様に思えるロングストローク。3倍はあります。あれ?でも、こんなに長かったらコンロッドが引っ掛りそう。
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
う〜ん・・・・
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
油と水と錆びにまみれて打ち捨てられたヤカン。これで水の補給などを行っていたのでしょうか? 壊れた油差しと一緒に風景と化しています。

興味深いわらしべ長者式エンジンスタート!この巨大なエンジンをどのように始動するのかMさんが教えてくれました。

(言い切ってますが、想像も含まれているので不正確です)

水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
まずはこのエンジンの上死点を出します。
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
この針をフライホイール(今は外されちゃってますけど)に刻んである上死点マークを合わせます。(たぶんそれよりちょっとだけ行き過ぎて回すのでしょうけど)
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
これはデコンプレバーなのかな? だとすれば、上死点出しの後にこのレバーを「運転」に・・・
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
このコンプレッサーを小さいモータで回して空気を圧縮します。
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
そしてこのタンクに圧縮空気を貯めて行きます。
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
このバルブを時々開けて内部のドレーンを出すこと。何か日本語がおかしいな。

そしてその圧搾空気をスターターに使って重いフライホイールを回し、エンジンをかけるそうです。これで合ってます?

それにしても毎日たいへんな手順を踏んでエンジンをかけていたんですねえ・・・

そしてこれがマフラーだったとは・・・

一番ビックリしたのはマフラーというか排気管です。

水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
外にあるこれが排気管でした。前々からなんだろう?と思っていたんです。
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
マフラーというイメージからかけ離れてました。
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
ガス管か水道管ですもんねえ・・・
水戸市大場町島地区排水機場にある、もう使用されていない1964年製55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン
おもしろいなあ・・・

水が出た時など、一晩中動くこともあったでしょうからうるさかったでしょうねえ・・・ドコドコと・・・

毎日こんな手順でエンジンをかけなくてはいけなかったのに比べ、モーターならスイッチ「ポン」です。ずいぶんと手間が減ったと思います。

それにしても動かない機械というのはちょっと寂しいですね。

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“毎日ドコドコうるさかったんだろうなあ・・・大場町島地区排水機場の1964年製、55馬力クボタ4気筒ディーゼルエンジン” への6件の返信

  1. Mさん おはようございます

    山葵さんのおっしゃるとおりです。燃焼室にエアーを送り込んでとnoraに説明したはずなのですが・・・

    あれれ・・・すみません・・・忘れてたんですね!
    たぶんその時もきっと感心したと思うのですが
    何度でも同じことで感心できて忘れっぽいのも悪くないなあ・・・と思いました

  2.  山葵さんのおっしゃるとおりです。燃焼室にエアーを送り込んでとnoraに説明したはずなのですが・・・
     昔は、ゲリラ豪雨や、河川上流部の開発などもなくて、コンプレッサーを回してエアーをためてのんびりエンジンをかけていられたのですが、今では、湛水被害が増大し、排水機場の改修を計画中です。

  3. 山葵さん こんにちは

    DB張りの白いベラルーストラクターに空冷ガソリンのセルエンジンが付いていたのを見たことがあります
    ドイツのタイガー戦車も昔の戦闘機もクランクハンドルで始動できたのだから人間の知恵ってたいしたものですね(笑)

    大きなエンジンを人力で始動する知恵ですね!
    大戦中のジェットエンジンもゲットした画像ではスターター用に2ストの小さなエンジンがついていました

    燃焼上死点のタイミングでエアを燃焼室にバルブで送り込んで回転させる仕組みで
    バルブタイミングも始動用のタイミングに切り替える仕掛けが付いてます
    そのため始動初めに上死点をしっかり出す指示があるのですね。

    そうなんですか!
    フライホイールをエアで回すのかと思っていました
    確かに燃焼室に直接入れちゃえばシンプルです・・・よく考えてあるんですね
    もちろんプロの仕事ですからそうなのでしょうけど、感心しちゃいます。

  4. OPさん こんにちは

    グローを焼いて、
    デコンプ抜いて、
    空気をおくって、
    デコンプ戻して始動

    ってなんかカッコ良くないですか?

    カッコいいですねえ
    ちゃんと役に立つ形で動いているとさらにいいです

    コイツを有事の際、僕では復活させる知識と経験がないのが残念です

  5. これはデコンプレバー?

    独立噴射ポンプの連結コントロールラックに繋がってるレバーの様ですから、恐らく
    無噴射位置まで強制的に引っ張るレバーかと思われます。

    よく、デコンプで停止させたりする人がいますがエンジンの種類によってはピストンヘッドに
    バルブを激しく衝突させたり、プッシュロッド周りを無駄に磨耗させたりと、ろくなことがありません。
    手回し程度の回転数なら知れてますが、運転中のデコンプは取扱説明書の指示に従うべきです。

    セルモーターでは始動できないほどの大型エンジンは圧縮空気で始動させるものがおおいですね
    最悪の非常用で人力コンプレッサー始動なんてものもあったそうです(ロシアの戦車?)

    DB張りの白いベラルーストラクターに空冷ガソリンのセルエンジンが付いていたのを見たことがあります
    ドイツのタイガー戦車も昔の戦闘機もクランクハンドルで始動できたのだから人間の知恵ってたいしたものですね(笑)

    セルの部分がエアモーターになってるのではなくて
    燃焼上死点のタイミングでエアを燃焼室にバルブで送り込んで回転させる仕組みで
    バルブタイミングも始動用のタイミングに切り替える仕掛けが付いてます
    そのため始動初めに上死点をしっかり出す指示があるのですね。

    美しい筆記体のクボタロゴは確かクランク室を観察出来なくなったかフライホイルがスタート

    ハンドル側1枚になった石油発動機がデビューした頃に消滅したはずです。

  6. 自分はこういうの好きですけど。

    キー一発のコモンレールエンジンも便利ですが、

    グローを焼いて、
    デコンプ抜いて、
    空気をおくって、
    デコンプ戻して始動

    ってなんかカッコ良くないですか?

    こういう古いモノをただ飾るのではなく、
    有事の際には再び動いて街を救ってくれたりすると、
    フェイルセーフとしても、
    ストーリー的にもサイコーです(笑)

    https://www.youtube.com/user/semidiesel/videos

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