北海道で見た大きな鉄車輪の クボタL3001DTですが、トラクター狂さんにそのカタログを見せていただきました。昔のカタログシリーズです。
良いたとえが見つからないけれど、発売当時に買って、ずっと持っているオーナーというわけではないので、おつきあいをしている彼女の生まれたときの写真を見るような感じでしょうか?
「ああ、この人はこんなところで、こんな人たちに囲まれて育ったんだなあ」・・・そんな感じです。
発売は1976年?
キャッチコピー1番目は湿田に強い4輪駆動
「湿田に強い4輪駆動」
●4つの車輪すべてが駆動するDTタイプ(DOUBLE TRACTION)前輪に切れ角の大きいベベルギア駆動方式を採用しているので、鋭く小さく旋回。急坂や砂地でもそのたくましい足回りでラクラク走行します。「静かで高出力の4気筒エンジン」
●心臓部には世界一流の技術水準をゆく、静かで振動の少ない4気筒立形水冷4サイクルディーゼルを搭載。
●湿田など過負荷のかかる作業で好評のネバリ強さを発揮します。
●寒冷時でもすばやく始動。独自の球形燃焼室は燃焼効率が高く、わずかな燃焼消費で十分な出力を発揮。故障が少なく、維持費もかからないのでとても経済的です。
世界一流の技術水準をゆく・・・控えめなのか強気なのかよくわからない表現です。「よく確かめてないけど、だいたい一流行ってんじゃないの?」といったところでしょうか。
また、「湿田」というキーワードがたくさん出てくるところも、当時の悩みどころというか、ニーズを表していて興味深いです。
「豊富なロータリ」
●土地作物条件に合わせて4つのロータリを準備。次のポイントで最適なものをお選び下さい。●フルカットとサイドドライブの2形式。
●サイドドライブは、ゲージの位置は前と後ろの2タイプ。前ゲージタイプは、ゲージ跡を残しません。
●サイドドライブは、爪の取付部は、一般水田向きのブラケット型と、頑丈なフランジ型の2つのタイプ。
フルカットというロータリーがあるのは知りませんでした。見た目は赤くてどれも同じように見えるロータリーですが、こんなに種類があったとは・・・
「小型特殊免許でOK」
●小型特殊免許で乗れる最大出力、30馬力。
●車体検査証が不要で経済的。法定整備に手間どらず、農繁期も時間的なロスがありません。
これからすると小型特殊免許は馬力で上限が決まっていたんですね。トラクタの場合、他に大きさや重さという区切りもあったのでしょうが、確かに馬力が一番手っ取り早いかも。
発売は1976年?
「大径タイヤを標準装備」
●12.4/11-28の普通のラグタイヤを装着したL3001DT形。12.4-26のハイラグタイヤを装着したL3001DT-H形があります。「作業に適した速度が選べる変速段数」
●前進16段・後進4段。極低速(0.24km/h)を標準装備しました。
●トレンチャ・除雪機・プランタなど超低速を要する作業気にも使えるので、稼働率が大幅に向上しました。「ドラフトコントロールとポジションコントロールを標準装備」
●ポジションコントロール(自動位置制御装置)はあらかじめ設定した作業機位置が保て、しかも微調整ができるので、代かきや畑作の中耕管理に大きな威力を発揮します。
●ドラフトコントロール(自動抵抗制御装置)は過負荷による車輪のスリップ、エンストを防ぎ、作業がラクにできます。
●油圧の外部取出しは補助コントロールバルブを使わずにできます。「ダイヤフラムクラッチと湿式ディスクブレーキ」
●踏力変化が少なく操作の滑らかなダイヤフラム式のクラッチ。
●鋭い効き目の湿式ディスクブレーキ。軽く踏むだけでよく効き、摩耗も少ないので保守点検に手間がかかりません。
湿式ディスクブレーキというのがあるんですねえ・・・
他にも、●前上がりの少ないバランス設計●PTOは4段変速●3点リンクはJIS1形●けん引作業がしやすいスイングドローバ●スリップを防ぐデフロック付・・・とあります。
1977年のカタログ?
一番最後にno 1226.52.5.30とあります。昭和52年5月30日と考えると1977年のカタログかもしれませんね。とりあえずここまでアップしてまた追記します。
くだらないですけど追記・・・まずは寸法図
こんなことやって何になるのかって話ではありますけど、まずは寸法図を書き写したのでUP
トラクター狂さん おはようございます
パソコンが苦手と謙遜されていますが、大きさもサイズもドンピシャです
この機体はパワステ無しなんですか?
カタログだけでなく、生の情報もそのトラクターが浮かび上がってくるようで良い感じです
ぜひお願いします!
おもしろそうなもの大歓迎です
無事に送ることができたようなので安心しました。容量とか大丈夫でしたでしょうか?パソコンが苦手なのでもしダメな所があったら教えてください。
L3001DTは1976年から1979年までの生産でした。兄弟機にL2601DTというモデルもありました。こちらは3気筒の26馬力でした。今現在販売されているトラクターのほとんどにはパワステは標準装備ですが、この当時はそうではありませんでした。このモデルに関してもL3001DTの一部の派生形式のみパワステがついていました。そこそこ車重のある30馬力、4輪駆動のトラクターでパワステ無しとなると、圃場での旋回はかなり大変な事だったでしょう。
ちなみに、私の親戚の家で最近までL3001DTを使ってました!特に、コバシのツインハロー(二つ折りタイプのドライブハロー)を取り付けて代かきをしている風景は本当にカッコよかったです。今思えば譲ってもらえばよかったなぁと後悔しています。
ちょっと長くなり過ぎましたが、また面白そうなカタログがあったら送ります。今度はトラクター以外でもいいですかね?