畦道には「知らない」と「漢字」がいっぱい ノビルの実?

野蒜(ノビル)のむかご放出機。これは実ではなくて球根そのもののようです。
野蒜(ノビル)のむかご放出機。これは実ではなくて球根そのもののようです。

「トンボが羽化を始めてるゾ」というMさんの情報があったので、農道をお散歩しているとこんなものを見つけました。ひょろりと伸びた緑の茎の上に赤茶色のイガイガボール。その上に緑の細いヒゲがさらにピロ〜ンと伸びています。

野蒜(ノビル)の実 緑の中目立ちます
野蒜(ノビル)の実 緑の中目立ちます

花いっぱいの5月から雨の6月に入り、畦道は花が少なく草丈が伸びてきた一面の緑の中、この怪奇赤茶色イガイガボールは周囲より一段高いのも相まって「花?」と見間違ってしまいそうです。

野蒜(ノビル)の実 周囲より一回りもふたまわりも高くヒョロヒョロと伸びています。もしかしたらこのしなりでむかごを遠くへ放り投げる投擲機なのか?
野蒜(ノビル)の実 周囲より一回りもふたまわりも高くヒョロヒョロと伸びています。もしかしたらこのしなりでむかごを遠くへ放り投げる投擲機なのか?

調べてみた

家に帰って調べてみるとどうもノビル(野蒜)のムカゴというか実のようです。ウィキペディアにはこうあります。

ノビル(野蒜、学名:Allium macrostemon)はユリ科(クロンキスト体系ではユリ科,APG植物分類体系ではネギ科に属する)ネギ属の多年草。一部地域では、ネビルとも呼称される。

特徴
地下に球根を持ち、地上に細い葉を伸ばす。葉は線形で20~30cmのものを数本出す。雑草にまぎれて花茎が伸びてきてはじめて気がつくことが多いが、葉の表面に白く粉を噴くので慣れると見つけやすい。タバコ位の太さにしかならず、小さな玉葱のようである。まっすぐ立ち上がる花茎は60cmに達し、先端に一個だけ花序(散形花序)をつける。花は長さ数mmの楕円形の花弁が六枚、小さいチューリップのように集まったもので、白または薄紫を帯びる。花柄はやや長い。
花は開花するが種子ができる系統はごくまれである。代わりに花序には開花後ないしは開花前から小さな球根のような珠芽(むかご)を着生し、それを散布体とする。珠芽は紫褐色で固く密生する。たくさん集まると表面に突起の出たボールのようになる。むかごの着生が遅れれば通常の花序となるが、開花前からむかごの肥大が始まり、開花がほとんど認められないことがある。これは小型個体より大型個体ではげしい傾向がある。むかごの散布以外にも分球でも繁殖する。

なるほど〜

ノビルのむかごはここでは紫褐色と書いてありますね。確かに紫褐色かもしれない・・・そして花の茎はそれこそどんどん「ノビル」んですねえ・・・60センチとは・・・

そして花なんてどうでもよく、この「むかご」がノビルの主力兵器であり、散布体とあるからには紫褐色イガイガボールはむかご発射装置(ランチャー)ってことになります。

調べる過程ではこのむかごがどんどん発射され、バシバシ根付いて増えて困っている・・・なんて記述も見受けられました。よく見るとこのピロ〜ンと伸びた緑のヒゲってむかごから出たノビルの芽ではないですか!

野蒜(ノビル)の実のこのピロ〜ンっていうヒゲ、よく見るとのびるの芽です なぜか虫がひっついてます これ撮影中ノビルの一部みたいにひたすら動きませんでした
野蒜(ノビル)の実のこのピロ〜ンっていうヒゲ、よく見るとのびるの芽です なぜか虫がひっついてます これ撮影中ノビルの一部みたいにひたすら動きませんでした

食用にもなり、名前もかわいいノビルですが、周囲征服のため、高く差し上げた主力兵器むかごランチャーの上に乗ったむかごBombは常にアイドリングをしていて、さらには「辛抱たまらん!」とフライング気味に芽を出してしまっているのです。

う〜む・・・どんな植物も油断ならない感じです。ちょっと減ったからと保護などしたらこれ幸いとあっという間に周囲を席巻しそう。バランスが問題なんですね。つまりは環境です。

閑話休題

植物の名前はなんとなくみんなに習ってカタカナで記述していますが、ノビルと書くと意味の広がりが見えない感じです。

確かに野蒜といきなり画数の多い黒っぽいカタマリで見せられても、拒絶反応が出ちゃってにわかに意味を捉えにくいんですけど、野蒜の「蒜」という字、ネギ・ニンニク・ノビルなど、食用となるユリ科の多年草の古名を指すそうで、試しにニンニクというのを引いてみると大蒜と書くみたいです。つまりニンニクは大蒜で「オオビル」なわけです。ノビルは野の「蒜」・・・へえ〜

外来のものや意味の無い音とか擬音などだけをカタカナ表記にして、トウが立つツルボのところでも少し感じたのですが、漢字のあるものは漢字表記のほうがいいかもしれないですね。

見たことのない漢字です。「ふきのとう」は「蕗の薹」だったのです。
見たことのない漢字です。「ふきのとう」は「蕗の薹」だったのです。
ツルボがどうして蔓穂なのか? ツルツル坊主だから「ツル坊」? ベケベン
ツルボがどうして蔓穂なのか? ツルツル坊主だから「ツル坊」? ベケベン

こんな可能性もありますが・・・

中身の詰まった画数の多い黒い漢字ばかりだと頭が痛くなる可能性もありますが・・・
中身の詰まった画数の多い黒い漢字ばかりだと頭が痛くなる可能性もありますが・・・
野中の投擲機ノビルの実
野中の投擲機ノビルの実
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