草刈りで、イバラ(ノイバラ、野バラ)の花を見つけました。わあっと伸びた緑の中で普段なかなか気がつかないんですが、白い花が咲くとわかります。虫たちにアピールして受粉するためにも、やはり目立つ・・・ということは重要です。で、僕も気がつくわけです。
ウィキペディア、ノイバラの項では
ノイバラ(野茨、学名:Rosa multiflora)は、バラ科の落葉性のつる性低木。日本のノバラの代表的な種。沖縄以外の日本各地の山野に多く自生する。ノバラ(野薔薇)ともいう。
高さは2mぐらいになる。葉は奇数羽状複葉で、小葉数は7-9、長さは10cmほど。小葉は楕円形、細かい鋸歯があり、表面に艶がない。
花期は5~6月。枝の端に白色または淡紅色の花を散房状につける。個々の花は白く丸い花びらが5弁あり、径2cm程度。雄しべは黄色、香りがある。秋に果実が赤く熟す。
うん、うん、確かに花びらは5枚だし、葉っぱは枝の左右に規則的に出て、最後、先端に「ぴっ」と、一枚の奇数です。
拡大してみると
茨城県の花はバラ
そして、茨城県の花はバラ、と言われていますが、ほんとうはバラはバラでもこのノイバラなのかもしれません
ウィキペディア、茨城県の項の、茨城という名の由来の部分に、
茨城という名は、一説に、賊を討つために茨の城(柵)を築いたことに由来し、『常陸国風土記』の茨城郡条には、「穴に住み人をおびやかす土賊の佐伯を滅ぼすために、イバラを穴に仕掛け、追い込んでイバラに身をかけさせた」とある。また、『万葉集』にも「みちのへの茨(うまら)の末(うれ)に延(ほ)ほ豆のからまる君をはかれか行かむ」という歌があり、この故事にちなむ茨城(うばらき)という地名がみられる。
というようなこともあったようです。(他にも由来の候補はあるようですが)しかし、これで国が本当に守れたというのが不思議です。このトゲトゲは確かに僕もイヤですけど、そんなものじゃなく、よっぽどこの佐伯さんトゲトゲがイヤだったようです。
トゲトゲがイヤなのは世界共通
おとぎ話か?と、思えば、このような話は他にもあって、以前の記事のノアザミなんですが、ウィキペディアでアザミを調べたら、スコットランドの国花だとわかったわけです。そこには、
とにかく触れれば痛い草の代表である。スコットランドでは、そのトゲによって外敵から国土を守ったとされ国花となっている。
とありますので、佐伯さんのみならず、スコットランドへ攻め入ろうという外敵すら、植物のトゲトゲはイヤみたいなので、世界的にトゲトゲはいやがられているのでしょうし、スコットランドが『常陸国風土記』に記述されるとすれば、茨城(イバラキ)ならぬ薊城(アザミキ)になるわけです。
トゲトゲ植物からこれは産まれた?
同じ原理のトゲトゲの城として、有刺鉄線というものがありますが、同じくウィキペディアによると、
有刺鉄線は茨の刺に見立てて「バラ線(ばらせん)」とも呼ぶ、この場合は束をばらした電線のことではない。他に「鬼針(おにはり)」、「犬釘」、「Barbed Wire(バーブド・ワイヤー)」とも呼ばれている。刺は非常に鋭利なので、取り扱う場合は皮手袋の着用等の必要がある(ケブラー軍手では貫通してしまうので使えない)。
なんて書いてありました。イバラ、ノイバラの線ということでしょうか・・・
日本では釘のような針金がついたものしか見かけませんが、画像のように海外にはもっとえげつないものもあるようです。