ヘンリーフォード一世&トラクターはどうあるべきか「フォード昔のカタログ」

またまたトラクター狂さんに燃料を供給していただいちゃいました。HFT、北海フォードトラクター株式會社のカタログです。

というわけで続けてフォードトラクター昔のカタログシリーズ行っちゃいます。

今日は時間がなくなってきちゃったので、画像少なめ文字多めでお送りします。
今日は時間がなくなってきちゃったので、画像少なめ文字多めでお送りします。

 

多分、トラクター狂さんは次のページを僕に見せたかったのだと思いますが、僕、一番先にこれに引っ掛っちゃいました。
多分、トラクター狂さんは次のページを僕に見せたかったのだと思いますが、僕、一番先に↓これに引っ掛っちゃいました。

 

農業に奉仕するものは人類に盡(つく)すものである ヘンリーフォード一世
農業に奉仕するものは人類に盡(つく)すものである ヘンリーフォード一世

 

まるでヘンリーフォード一世の書であるかのような作りですけど、彼は日本人でもないし、書道もやらないでしょう・・・当時、毛筆フォントなどないでしょうから、誰か日本の方がこれを書いたはずです。

カタログにはそのような意図はないと思いますが、ヘンリーフォード一世が大真面目に筆を持つ姿や、それとは似ても似つかない日本の方が外国人の名前で揮毫している姿を想像して軽く吹き出しちゃいました。

 

今日の本題

 

このページには興味深いことがたくさん書いてあります。
このページには興味深いことがたくさん書いてあります。

 

少し長くなりますが、引用してみます。

近年の風潮としてめまぐるしくモデルチェンジをする傾向が目立ちますが・・・・・

モデルチェンジをたびたび行なうということは何らかの欠点を補うためです。そのために、年数をあまり経ていないにもかかわらず、部品供給が中止され高価なトラクターがみすみす安値で下取りに出されたりします。

フォードトラクターには、その心配がありません。

北海自動車からトラクター部門が独立し、北海フォードトラクター株式會社(HFT)ができたのが1970年、このカタログにはF6600(1976年〜1981年)が載っているので、少なくとも30年は前のものと考えられます。

モデルチェンジが頻繁な件はこの頃すでに問題点として捉えられていたのですね!

そう言えば昔調べた中古市場のグレーマーケットの話もこの頃の話じゃなかったっけなあ・・・

トラクターの標準仕様はどうあるべきでしょう。

最近の傾向としては多段ミッション、多気筒エンジン・2段PTOなど欧米の常識では考えられない装備が標準仕様とされています。実際にそれらの装備がどんな作業で何時間使用されたというのでしょう。そしてそのためになんと多くの出費を強いられることでしょう。それらの装備はトラクターのトラブル度合いと修理費用を高め、保守管理に手間を要する原因となります。

フォードトラクターは耐久性と保守管理のしやすさを重視し作業に最も必要とする仕様を標準としています。ただしお客様の必要に応じてデラックス仕様が可能であり、オプションも豊富ですし、その性能においてもお客様の希望を十分に満たします。

 

今でも「必要のない装備にお金を払わねばならない」なんて話を聞きますよね?

なんだかちょっと前のガラケーの話みたいですね。ガラケーはすっかり見られなくなってしまって今はスマホです。

もしかしたらトラクターもスマホみたいに基本的な受け皿としてのハードがあって、「必要なものは後からアプリをインストールして追加する」というような形が理想的なのかもしれません。

この場合、標準仕様のトラクターは十分に安い値段であることが必要でしょうけど・・・

トラクターの設計はどうあるべきでしょう。

外観に見とれてしまい、肝心の性能・安全性を忘れてはなりません。フォードトラクターは運転操作が簡単なうえ、レバーの位置には特に注意が払われています。また計器類も一カ所に配置して作業中の確認を容易にし、角形フェンダーは後方・側方の視界を広げ安全性を高めました。

昨日のカタログにも書いてあって引っ掛っていたのですが、「角形フェンダーは後方・側方の視界を広げ安全性を高めました。」というところ・・・そんなに大きな声で言うことなのでしょうか?

トラクターに乗る人にはものすごくアピールするところなのかもしれません。しかし僕には今ひとつピンときません。確かに四角くければ車両感覚が掴みやすいような気もしますけど、丸いフェンダーのほうが死角は少なくなると思うのですが・・・

トラクターにとって伝統とは何でしょう。

伝統がなければ名車とはいい難い。私たちは昭和50年から米英両国の技術と生産力を結集したフォード7Aトラクターシリーズを届け、ユーザーの間で揺るぎない定評を得ています。しかし、それらは一代でなったものではありません。デキスタ・メジャーをはじめとする、名車の血を受け継いだ伝統のメカニズムが生きているのです。より使いやすいトラクターを!この頑固なまでの設計思想がここに結晶したのです。名車の伝統を受け継いだフォードトラクターを明日の日本の農業をになう人々にお届けします。

トラクターの購入ポイントは一言でいうとどういうことでしょう。

トラクターは農家にとっての生産材です。それが長持ちすればする程、大きな利益をもたらします。だからこそフォードトラクターは耐久性、保守管理のしやすさ、使いやすさの3つのポイントを何よりも重視しています。頑張り親父の時代から張り切り息子の時代へと確実に引き継ぎをする、そんなトラクターが、フォードトラクターです。

僕は今まで結構カタログを見てきたほうだと思います。でも、「親から子へ製品を引き継ぐ」こんなカタログの文句を見たのは初めてです。

トラクターが結果的に長持ちして親子二代で使うということは見聞きしても、製品を売る立場からこのことを謳ったというのはとても新しいし超オリジナルで個性的です。

・・・・・・

北海フォードトラクター株式會社が30年前憂いていたことは今でも変わっていないのじゃないかな・・・と思います。

こうしてしまったのは買う側にも責任があったのでしょう。僕も人よりいいものを持ちたい・・・という気持からなかなか逃れることができませんでしたし、値段や見た目で選んだりすることもありました。

本当は安い高い多機能低機能ではなくて「この機能、この機械に自分の立場ならいくら払う。」という他との比較ではない「自分値段」を持つことが大切なのじゃないかな・・・などと朝から小難しいことを考えるのでした。

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“ヘンリーフォード一世&トラクターはどうあるべきか「フォード昔のカタログ」” への2件の返信

  1. Dさん、こちらも同文投下で・・・
    ご存知のように外国語、得意じゃないんですが、格言ぽくしなければ「トラクターを作るのは世界で最も楽しく有益な仕事だ」ってな感じですか?

  2. 同文投下

    Ford翁の揮毫、あったら笑えます。本当は1917年のインタビューに対する答えみたいです。
    to make farming what it ought to be, the most pleasant and profitable profession in the world.

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