「世界の名門」では売れなかった?迷走気味の1980年代。ブルエースXB1「昔のカタログ」

今日はトラクター狂さんに送っていただいた、クボタトラクターブルエースXB1「昔のカタログシリーズ」です。いつもありがとうございます。

カタログがあると飛びついちゃいますねえ・・・やっぱり。魅力的ですもん。

世界の名門はどこへ・・・

クボタ・ブルエースXB1。12馬力、2駆・4駆。昭和58年、1983年のものだそうです。多分当時有名でないと思われる女性がフューチャーされています。あの自信に満ちた1970年代後半の「世界の名門」はどこへ行ってしまったのでしょう。
クボタ・ブルエースXB1。12馬力、2駆・4駆。昭和58年、1983年のものだそうです。多分当時有名でないと思われる女性がフューチャーされています。売り物であるトラクターしか出てこない、あの自信に満ちた1970年代後半の「世界の名門」はどこへ行ってしまったのでしょう。

世界の名門はどこへ・・・

7年前、あのL2601はずっと自身に満ちあふれ、おもねるところがなかった。

わが国初の国産トラクタを送り出して10数年・・・日本のトラクタの先駆者としての道のりを歩んできたクボタトラクタは、いまや名実ともに日本を代表するトラクタに成長しました。世界に誇るその技術、その実績、その伝統。L2601はクボタのすべてを結集した快心作です。 とあります。
「世界の名門トラクタ」わが国初の国産トラクタを送り出して10数年・・・日本のトラクタの先駆者としての道のりを歩んできたクボタトラクタは、いまや名実ともに日本を代表するトラクタに成長しました。世界に誇るその技術、その実績、その伝統。L2601はクボタのすべてを結集した快心作です。 とあります。

これから7年の間に一体何があったのでしょう? 女性を使うのは世界でも珍しいことではないと思いますが、世界で評価されたという売り方では日本で売れず、別のやり方で売り始めたのでしょうか?

トラクター乗りは男性が多いんでしょうね

イセキも輸入していたゼトアトラクター。実力が拮抗し競争が激しくなるとトラクターに女性をプラスするようになるのかもしれませんねえ・・・

カレンダーです。もう少しニコやかにできないものでしょうか? ここには載せられませんが、同じ構図の「トップレスバージョン」も発見しました。すごいこと考えるなあ・・・
カレンダーです。もう少しニコやかにできないものでしょうか? ここには載せられませんが、同じ構図の「トップレスバージョン」も発見しました。すごいこと考えるなあ・・・
オリジナルの塗装なのでしょうか・・・何ともいえない色で、きれいですよね。高級感があります。
井関ZETOR3011

ZETORというメーカーについては、『世界で売れたチェコ生まれ。Zetor(ゼトル)トラクタ 2011←たぶん「撮り虎」』の記事を見てくださいね!

カタログの女性はみのりちゃんなのかなあ・・・

XB1は1983年。1985年のクボタ・ニュー・サンシャイン・ブルトラ「2つのブランドにニューが付く」というよくわからないトラクターのカタログなどは、表紙にトラクターすら出てきませんでした。

うわ〜〜〜〜〜っ・・・「誰っ?」。みのりちゃんという名前らしいのですが、どなたでしょう?表紙です。
うわ〜〜〜〜〜っ・・・「誰っ?」。みのりちゃんという名前らしいのですが、どなたでしょう?表紙です。ブルエースのお嬢さんと同一人物のようにも見えるし、そうでないようにも見えるし・・・

そういえばブルエースXB1の1983年は日の本JF1と同時期

『ワインレッドの心・・・後にも先にもファッションがテーマのトラクターはこれだけ?日の本JF1「昔のカタログ」』でもバブルの匂いを嗅ぎました。

正装した男女がトラクターに乗ったり、女の子ばかりでトラクターの出てこないトラクターのカタログ・・・よく考えたら何だかおかしいのですが、当時はイケイケで許されちゃったのでしょうね・・・

およそ農作業とかけ離れたものすごく斬新なカタログの表紙です。2人乗りということをアピールするためなのでしょう。なんとも印象的なそれこそ「ファッション」を身にまとった若い男女のモデルさんが佇んでいます。もうこれが頭から離れません。
およそ農作業とかけ離れたものすごく斬新なカタログの表紙です。2人乗りということをアピールするためなのでしょう。なんとも印象的なそれこそ流行?の「ファッション」を身にまとった若い男女のモデルさんが佇んでいます。もうこれが頭から離れません。
ちょうど「ワインレッドの心」という歌を1983年の暮れに出していた玉置浩二さんの髪型やファッションがぴったり表紙のモデルと重なります。本当は写真を出したいのですが、問題がありそうなので絵にしておきます。各自検索してみてください。
ちょうど「ワインレッドの心」という歌を1983年の暮れに出していた玉置浩二さんの髪型や肩パットの入った丈の短い逆三角形のジャケット・・・ファッションもぴったり表紙のモデルと重なります。ポケットに手を突っ込んでいるところも同じ。本当は写真を出したいのですが、問題がありそうなので絵にしておきます。各自検索してみてください。

女性が出てるのは70年代もあったか・・・

中身はよくわからないのですが、広告は見てるととても楽しいです。
昔の広告は見てるととても楽しいです。

イセキ田植機「さなえ」の広告! 丸の中に女性(桜田順子さんでしたっけ?)が・・・まったくキャプションなしで・・・ものすごく唐突な感じです。でも、一応有名人だし、イメージキャラクターなのはかろうじてわかります。

これなんかもそうです。ヤンマー田植機の広告。一番上の目立つところに若い女性の写真が何の説明もなく・・・浅芽陽子。「なぁ、みんなどう思う。」っていわれてもねえ・・・
これなんかもそうです。ヤンマー田植機の広告。一番上の目立つところに若い女性の写真が何の説明もなく・・・浅芽陽子。「なぁ、みんなどう思う。」っていわれてもねえ・・・

面積の半分は田植機の気配がすごく薄い感じです。それでいいのか???

これらの広告、1978年のものですから、自信がついた1976年〜1977年の直後から、商品だけで勝負せず、有名人をアイコンに仕立て、目立たせたり、イメージを作り上げてが売る販売が始まっていたんですね。

注目はコマツインターナショナル製造株式会社の広告。ビックパートナーはグラマラスなおねーちゃんです。
コマツインターナショナル製造株式会社の広告。ビックパートナーはグラマラスなおねーちゃんです。

サブちゃんまで広告塔に

まったく同じパターン。やっぱり一番上にサブちゃん!北島三郎さんです。大島コンバイン・・・大島農機という会社は乾燥機とかもみすり機などを作っていて、今はコンバイン、作っていないみたいですね。
まったく同じパターン。やっぱり一番上にサブちゃん!北島三郎さんです。大島コンバイン・・・大島農機という会社は乾燥機とかもみすり機などを作っていて、今はコンバイン、作っていないみたいですね。

国内販売は低迷してきていたらしい

農機技術概史と業界の動向という年表を見てみると、1980年に米の減反が強化や中古市場の形成、1980年、1981年には冷害で購買意欲が落ちたりして新車のトラクター販売は良くなかったみたいなんです。

カタログは女性が出てきて華やかですが、景気があまり良くなかったことも影響しているのかもしれません。

続きます。

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“「世界の名門」では売れなかった?迷走気味の1980年代。ブルエースXB1「昔のカタログ」” への8件の返信

  1. 愛読者さん こんにちは

    ですよね!
    それにしても、そうやってとうちゃんに機械を買うのをゆるして
    かあちゃんは体力を使うオカマワリをやってくれていたってことですよね
    メーカーが女性に乗って欲しいと小さなトラクターを売り出しても
    とおちゃんはもっとでかいのが欲しくなったり
    キャビンの付いた快適なものが欲しくなったりして
    ずっとかあちゃんにはキカイが回ってこなかった・・・・
    う〜ん・・・かわいそう

  2. >でもきっと、とうちゃんが「乗りたい」んでしょうね!

    そうそう。男は機械が大好き(笑)

  3. 愛読者さん おはようございます

    トラクターって内燃機関で動いてますけど、鍬は筋肉使って振ってるんだから、機械操作を女性に任せて男性が手作業で力仕事する方が効率的な場合って多いと思います。

    都会にはトレンディーでバブリーな暮らしがあり、キツい農作業を伴う「農家の嫁」が嫌われてたっていう時代背景もあったでしょう。

    そういう中での「女性にも扱いやすい機械」だったんだと思います。

    すごくわかりやすいです
    確かにその通りですよね
    効率とか丁寧さから来る仕上がりからいったらトラクターは女性、
    まわりの手作業は男性というパターンのほうがいいように思えます

    でもきっと、とうちゃんが「乗りたい」んでしょうね!

  4. 木田さん おはようございます

    女性の方にもトラクタに乗って農作業をしてほしいという願いを込めての物かもしれませんね。

    男性の目を引くというのももちろんですけど
    それだけじゃ売れませんから、きっとそうなんでしょうね
    そして今はご老人でもトラクタに乗って農作業をして欲しいという願いがこもっているように感じます

  5. 男性が機械作業してる脇で、女性が補助作業やってるっていうの、ビジュアル的には自然な感じがするんですけど、補助作業の方が割と力仕事だったりすること、ありますよね。

    トラクターって内燃機関で動いてますけど、鍬は筋肉使って振ってるんだから、機械操作を女性に任せて男性が手作業で力仕事する方が効率的な場合って多いと思います。

    都会にはトレンディーでバブリーな暮らしがあり、キツい農作業を伴う「農家の嫁」が嫌われてたっていう時代背景もあったでしょう。

    そういう中での「女性にも扱いやすい機械」だったんだと思います。

  6. おっしゃる通りそれもあるかもしれませんね。
    ニューサンシャイン・ブルトラのカタログにも「女性の方でもラクラク操作」というフレーズがいくつか見受けられました。
    コンパクトでカンタン
    女性の方にもトラクタに乗って農作業をしてほしいという願いを込めての物かもしれませんね。

  7. 木田さん おはようございます

    他のメイン機種は質実剛健に行き
    こちらは「女性でも乗れる」ということを伝えたい機種だということですね!

  8. 他に売れない理由は これはトラクタじゃなくコンセプトが乗用管理機であること見たいですよ。
    馬力も12馬力しかないのと 他のバリエーションはタイヤサイズの違いと車高調整が出来る出来ないの違いですね。
    当時、このクラスのメイントラクタはサンシャインJr.かブルトラB1シリーズだったと思います。

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