恐れ多くても時が経てば・・・。デビッド・ブラウン薔薇のバッジの謎、ちょっとだけわかったような気がします。その2

もう展開が一部の人には読まれちゃっている気がしますが、デビッド・ブラウン薔薇のバッジの謎、昨日の続きです。

デビッド・ブラウン トラクター、薔薇のバッジの謎の一つ、1.どうして薔薇なのか(麦とか米なら何とも思いませんが、薔薇とはおよそトラクターに似つかわしくない感じがします)という部分は・・・

デビッド・ブラウン社の立地するヨークシャー州に縁のある、イングランド国王家(ヨーク家)の旗印白薔薇と、買収した農具メーカー「ハリソン・マクレガー社」の立地するランカシャー州に縁のある国王家(ランカスター家)の旗印赤薔薇が統合の象徴としてデザインされたものである

・・・というところまででした。

そして、僕の中ではデビッド・ブラウン トラクターの色が白いのは、ヨークシャーの白薔薇という意味が込められているからだ・・・と勝手に推測しているわけです。そういえばその白いDBも、マフラーがなぜか赤だったり、グリルが赤だったりするのは赤薔薇のランカスター家に敬意を示しているからなのかもしれません。

デビッド・ブラウン トラクターのユーザーであり、ファンであるサム・ケネディさんはこう続けています

統合としての象徴、薔薇のバッジの初登場は「デビッド・ブラウン・アルビオン・インプルマティック」シリーズのヘッドマークではないかと考えられています。
現在多くのインプルマティックが時を越えてレストアされ、その最後の仕上に輝くバッジがノーズコーンに取付けられています。

バッジとしての初登場はそうかもしれませんが、デザイン自体は「デビッド・ブラウン・アルビオン」の名を与えられたインプルメントから使われているような気がします。

デビッド・ブラウンの薔薇のバッジは大きく分けて3つ

どういうわけか、ヨーク家、ランカスター家の旗印とは若干違うツボミの白薔薇、赤薔薇です。
どういうわけか、ヨーク家、ランカスター家の旗印とは若干違うツボミの白薔薇、赤薔薇です。

ネットの画像を見ていると、その3つのデザインはデビッド・ブラウンの3つのフェーズに対応しているように見えるんです。まず一つは1955年、インプルメントに「デビッド・ブラウン・アルビオン」という名前を付けたフェーズ。(薔薇のマーク誕生初期ということです)

これはネットで見つけたインプルメントのチラシですが、薔薇はツボミです。
これはネットで見つけたインプルメントのチラシですが、薔薇はツボミです。

フェーズ1:薔薇のデザイン(しかもつぼみ)は初めインプルメントのみだった?

デビッド・ブラウン・アルビオン ハリケーンハーベスター・・・取説でしょうか? ここにもつぼみ薔薇バッジが・・・ハリケーンハーベスター・・・すごい名前ですねぇ。台風刈りとか台風コンバインみたいな名前ということで、農機は昔から名前は大げさなんです。
デビッド・ブラウン・アルビオン ハリケーンハーベスター・・・取説でしょうか? ここにもつぼみ薔薇バッジが・・・ハリケーンハーベスター・・・すごい名前ですねぇ。台風刈りとか台風コンバインみたいな名前ということで、農機は昔から名前は大げさなんです。

これも薔薇バッジはツボミです。想像するにトラクター/インプルメントと並列に表記してあるので、トラクターはデビッド・ブラウン。インプルメントはデビッド・ブラウン・アルビオンの時代ではないでしょうか? それならば今までとつじつまが合います。
これも薔薇バッジはツボミです。想像するにトラクター/インプルメントと並列に表記してあるので、トラクターはデビッド・ブラウン。インプルメントはデビッド・ブラウン・アルビオンの時代ではないでしょうか? それならば今までとつじつまが合います。
デビッド・ブラウン・アルビオンのヘーベーラーの写真だと思いますが、ベルトのカバーらしき部分に大きなマークがあります。拡大してみるとやはり開きかけの薔薇マークのように見えます。
デビッド・ブラウン・アルビオンのヘーベーラーの写真だと思いますが、ベルトのカバーらしき部分に大きなマークがあります。拡大してみるとやはり開きかけの薔薇マークのように見えます。
これがその拡大写真。わかりにくいですが、どうです? 開きかけ薔薇マークに見えませんか?
これがその拡大写真。わかりにくいですが、どうです? 開きかけ薔薇マークに見えませんか?

フェーズ2:インプルマチック時代

(インプルマチック〜)の薔薇バッジ。開きかけの薔薇が開花したように見えます。
(インプルマチック〜)の薔薇バッジ。開きかけの薔薇が開花したように見えます。
デビッド・ブラウン インプルマティック880 赤いボディと黄色の取り合せ。こんなのがあったんですね! 4気筒の46馬力、1961年〜1965年生まれだそうです。
デビッド・ブラウン インプルマティック880 赤いボディと黄色の取り合せ。こんなのがあったんですね! 4気筒の46馬力、1961年〜1965年生まれだそうです。

ケネディさんの文に戻ります

Selectamaticシリーズ時代に薔薇のバッジはデザインが新しくなりました。このタイプのバッジは今でもケース/IHのディーラーを通じて手に入れる事ができます。(ふんだんにあるわけではなさそうですが)

セレクタマティック ケース/IHの時代がフェーズ3に当たるのではないでしょうか?

薔薇バッジの薔薇は開ききった薔薇を正面から見るかたちになっています。今まではリアルな薔薇でしたが、どちらかといえば旗印の方に近くなっているような気も・・・
薔薇バッジの薔薇は開ききった薔薇を正面から見るかたちになっています。今まではリアルな薔薇でしたが、どちらかといえば旗印の方に近くなっているような気も・・・
ケース・デヴィッドブラウン1212です。1971年〜1977年
ケース・デヴィッドブラウン1212です。1971年〜1977年

1972年あたりからだと思うのですが、ケース/IH傘下に入って薔薇はまたこのようにデザイン変更されたようです。以前撮りトラしたこのケース・デヴィッドブラウン1212も当然ケース/IH傘下です。

ケネディさんの文に戻ります

また、「記念エディション(Commemorative Edition)」の94シリーズ・ケース/IHトラクターは薔薇のバッジが小さな台座の上に取付けられ、ノーズコーンに納まっていました。

デビッド・ブラウン 記念エディション(commemorative Edition)正面にちょっと飛び出した薔薇のバッジと、サイドに大きなデカールが・・・
デビッド・ブラウン 記念エディション(commemorative Edition)正面にちょっと飛び出した薔薇のバッジと、サイドに大きなデカールが・・・
なかなかカッコいいです
なかなかカッコいいです

日デイビッド・ブラウントラクタークラブは薔薇のバッジの使用許可をケース/IH社より受けており、横幅2400ミリから300ミリまで、各種サイズのディーラーサインを掲げ、ミーティング会場のどこに居てもそこでデビッドブラウンが見られるということがわかるようにしています。

ちょっとだけまとめ

時間がなくなってきたので簡単にまとめます。

2.薔薇の開き具合が色々なパターンがあるのは何故なのか。それは恐れのため?

結局はわからなかったわけですが、会社の節目節目に変更を受けてきたのではないかと思います。しかも、薔薇は時間が経つにつれだんだん開いてきます。

素直に考えると、薔薇のバッジを考えた当時はちょっと恐れ多くて(なにせ王様の旗印ですから)薔薇は薔薇でもツボミのような薔薇にしていたものが、時が経つにつれだんだん大胆になって開いたデザインに変更してきた。そして最後はとうとうほぼその旗印と同じデザインにしてしまった・・・という感じではないでしょうか?

日本だって、明治の時代に徳川まんじゅうとか信長くんキャラクター(そんなのがあるかどうかは知りませんが)など恐れ多くて考えられなかったと思います。そこらへんはオブラートにくるんでやっていたはず。

それも、今なら当時を知らないため「著作権はないから」などと思いきって行ってしまうこともあるのではないでしょうか?

今日はこれまで! 続きます。

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