動力の歴史

力と仕事を説明するのに使われるよくある図。そんなものかなあ・・・とたいしたギモンも持っていませんでした。

力と仕事を説明するのに使われるよくある図。そんなものかなあ・・・とたいしたギモンも持っていませんでした。

農発トラクターのことを書いたりしているうちになんとなく図書館で借りてきた「動力の歴史」と言う本。

斜めに読んだだけですが、面白かったです。中でも「面白いなあ」と思ったのは、仕事を表す単位が重さ×距離と言うのはヘンテコリンだというところです。全然関係ないものを持ってきてそれを掛け合わせて何かを表す・・・面積ならタテ×ヨコだし体積なら×タカサですもんね。距離と重さ、関係ないって言えば関係ない。

もちろん解説してくれています。要は牛と馬どちらを仕事に採用するか、そういう時に必要だからだそうです。牛はノロいが力がある。馬は速いが力がない。いったいどっちが良いのであろう?と言う時に、「荷物の重さ×運んだ距離で表そう」というわけなのだそうです。

当たり前の事を今さら発見しているわけですが、学校で習う時は何も身に染みた経験がないものですから・・・やっぱり、性能の悪い機械に触れたり高性能マシンに憧れたりした経験を経てからこういう話に触れるというのは、また違った腑に落ち方ってもんがあるっていうことですね。

当たり前の事を今さら発見しているわけですが、学校で習う時は何も身に染みた経験がないものですから・・・やっぱり、性能の悪い機械に触れたり高性能マシンに憧れたりした経験を経てからこういう話に触れるというのは、また違った腑に落ち方ってもんがあるっていうことですね。

これには時間というのが入っていませんが、もし当時の人がいつも時間に追われていれば、時間あたりどれだけ運べるかという単位になったのでしょう。さらに、上司から費用対効果なんてコトをいつも言われていれば1キログラムのものを1メートル1分で運ぶのにいくらかかるなんていう単位ができたかもしれません。そしてそれを考案したのが田中さんなら、それが「こんどのトラクターは108田中だぜぇ」とカタログに載っていたに違いありません。こちらはいまだに馬力ですが。

本の写真

農業はこの動力の歴史とともに歩んできたのでしょう。近所の人から牛や馬の話をたまに聞きます。農発の始動を見せてくれたYさんなどは、牛で田んぼを耕している時に「耕運機でやっている人がすごくうらやましかった」と言っていましたし、「学校から帰ってきて家畜のエサの藁を刻むのがすごくめんどくさかった」と言っている人もいました。やがてその耕運機もトラクターも水を汲み上げる農発も手に入れて今に至っています。

そういう動力は農業や鉱業/工業の要求する能率や経済性を受けて発展してきました。技術者の観点から書かれたこの本の中でもう一つ面白かったのは、後に続く技術者に盛んに「経済性というものを無視するな」「シンプルなものを選べ」と説いているところです。

効率や理想を追求するあまり、今ある技術の検証を怠るな!今まで生き残ってきた技術は、理不尽と思うかもしれないが、実は理にかなっていて、それを無視して進化の袋小路にはまるな!と言っているのです。これは面白いです。一見ムダに思われる上下運動を回転運動に変えるレシプロエンジンも、結果としてとても精緻な利点や何より経済性を持っていて、その結果19世紀の末から生き残ってきているというのです。

砂漠を地図を頼りに走るラリーなどでも、間違ったほうの道にたくさんの轍が付きます。なぜなら行ってみて間違いだったから引き返す・・・・つまり倍の轍が付くというわけです。それに誘われてさらに後から来るものがそこへ迷い込み、さらに倍の轍が付く。本来の道にはほとんど轍が付かない・・・トップランナーが間違えれば間違うほど後の人はもっと迷います。袋小路にはそこへ行きたくなる、ヒトを誘い込む魅力があるのです。

筆者は後から来るものに、袋小路にはまらないよう道しるべを付けているのでした。その中でも盛んにロータリーエンジンには趣味以外では手を出すなと言っています。最後まで読んでみて、「マツダのロータリーエンジンには何で触れていないんだろう?」と思ったのですが、あとがきまで読んでみるとすごく昔に書かれた本だったのでした。

それなのに現在の地球温暖化に繋がるような大量のエネルギー消費も、動力の効率の上昇や大型化に関連して警告されていて、一つの事にに打ち込んできた人はそれを通して、すべてとは言いませんが、多くのことを見通せるのだなあ・・・と思いました。

エンジンと言えばこれがカッコいいです

ラジアルエンジンの図

wikiで借りてきました。エンジンの極地という感じです。

汎用エンジンも売っています。美しいです。

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なんとそれを使ったバイクも!

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